カホラルート・ジョコーソ(6)
[吹雪]:「す、すごい」
目の前には聖壇と呼ぶに相応しい光景が広がっていた。
[セフィル]:「驚いたか?」
[吹雪]:「はい、すごく」
[セフィル]:「普段は、一般人が入れないようにバリアが張り巡らされているんだ。聖なる場所を汚されては困るからな」
[吹雪]:「ここで俺は、ホーリーカルムを唱えるんですね」
[セフィル]:「そうだ。そこの四つの柱が、それぞれ四季のピアノの音を聴き取る機能を持っている。最初は、みんなの演奏に耳を傾けてみるといい」
[吹雪]:「供給のタイミングは?」
[セフィル]:「そこは吹雪のタイミングに任せる、と言いたいところだが今回は初めてだからな。私たちが供給のタイミングを知らせよう。後半になってくると、四人の魔力も大分落ちてくるはずだから、おそらくは曲の中盤あたりからだろう。それまでは、モニターでみんなの様子を観察していてくれ」
[吹雪]:「分かりました」
[セフィル]:「今回が初めてだから、多少の失敗は仕方ない。リラックスしてやるようにするんだ」
[吹雪]:「はい」
[セフィル]:「12時になると同時に演奏を始めるように言ってある。開始まで後、5分程だな」
5分か、今のうちにイメージを膨らませておこう。俺は四人の顔を頭に思い浮かべた。
[吹雪]:「――よし!」
行こう。