カホラルート・ジョコーソ(2)
[セフィル]:「――よし、完了だ」
[吹雪]:「ありがとうございます」
[セフィル]:「どうだ? 体のほうは?」
[吹雪]:「力が漲ってる感じがしますね」
[セフィル]:「それならよかった。これで、力を余すことなく発揮することができるだろう」
[吹雪]:「はい、頑張らせていただきます」
[セフィル]:「じゃあ今から、それぞれ神殿に向かうわけだがちょっとこれを見てほしい」
学園長は一枚の紙を目の前に広げた。
[セフィル]:「これが四季のピアノが置かれている神殿の場所なんだが、吹雪にはその中心に向かってもらう」
[吹雪]:「中心ですか?」
[セフィル]:「うむ、位置で言うとここだな」
学園長は地図の真ん中に黒点を打つ。
[セフィル]:「ここに、ハーモニクサー専用の聖壇がある。吹雪はここから、四人に魔力を供給してもらう」
[吹雪]:「今更なんですけど、魔力は遠距離からでも効果はあるんですか?」
[セフィル]:「もちろんある。確かに近くで詠唱したほうが効果は高いかもしれないが、いちいち移動して供給していては非効率的だし、何より吹雪体が保たないだろう。全員から同距離の場所でやるのが一番無難だ」
[吹雪]:「そうですね、了解しました」
[セフィル]:「ピアニストのみんなは、自分のピアノのところで音を奏でてくれ」
[聖奈美]:「あ、すみません。一つ質問いいでしょうか?」
[セフィル]:「何だ? 聖奈美」
[聖奈美]:「前から思っていたんですが、四季のピアノは四つのピアノのメロディーが全て重なって一つになるんですよね?」
[セフィル]:「うむ、そのとおりだ」
[聖奈美]:「神殿と神殿の距離はかなり離れているのに、どうやって相手の音を認識できるんですか?」
[セフィル]:「そのことか、確かに説明していなかったな。よし、教えてあげよう」
学園長はみんなを自分の元に集めた。