カホラルート・ジョコーソ(1)
ここからしばらく、また共通ルートが入ります。
他のヒロインにもこのパートは出てくるので、あらかじめ伝えておきますね。
12月20日(月曜日)
[場所:グランド]
[セフィル]:「よし、全員揃ったな。みんな、体調は問題ないか?」
[舞羽]:「はい、大丈夫です」
[繭子]:「元気バリバリでーす」
[聖奈美]:「正常です」
[カホラ]:「問題なく元気よ」
[セフィル]:「吹雪はどうだ? 元気か?」
[吹雪]:「もちろん、何ともないです」
[セフィル]:「うむ、それならよかった。安心して練習を行えるな」
学園長はうなずきながらそう呟いた。今日の練習メニューは、学園長が言ったとおり、合同練習だ。全員のメロディーを一つに合わせる本番を意識した練習、これからはそれが主体になってくる予定だ。
[セフィル]:「みんな、今までやってきた練習の成果を存分に発揮してくれ。だとしても緊張することはないからな。今日から合わせ始めるわけだから、きっとミスも出るだろう。でも悲観することはない、そのミスを今後に活かしていけばきっと成功につながる。そうして完成した演奏を本番でしっかり弾けるようにするんだ」
[全員]:「はい」
[セフィル]:「では、練習に移ろうと思うんだがその前に。フェル、やるぞ」
[フェルシア]:「はい」
先生たちは目を閉じ、詠唱を始めた。
[フェルシア]:「――エル・エルギュニス、我の精神、その身に宿したまえ、――ソウルイジェクター!」
詠唱と同時に、光を帯びた衣のようなものが、四人の体を包み込んだ。
[繭子]:「わあ、すごーい」
[舞羽]:「何だか、心が安らぐようです」
[セフィル]:「簡単に言うと、精神力アップの補助魔法だ。これで集中してピアノを弾くことができるようになるはずだ」
[聖奈美]:「ありがとうございます」
[カホラ]:「これは助かるわね」
さすが教師だな、みんなの力を発揮できる状況を作ってくれる。
[セフィル]:「吹雪、君には私の魔力を分けてあげよう。こっちに来るんだ」
[吹雪]:「はい」
俺は先生の前へ向かった。
[セフィル]:「じゃあ、目を閉じるんだ」
[吹雪]:「はい」
言われるままに目をつぶる。
[セフィル]:「――我の力、彼の糧とならん。――はっ!」
俺の体に、学園長の魔力が流れ込んでくるのを感じる。
…………。