カホラルート・フォルテ(8)
まあお約束どおり、そんな簡単に見つかるはずもなく。
[カホラ]:「ちょっと休憩しましょうか」
[吹雪]:「そうですね、はあ、はあ……」
[カホラ]:「大丈夫? 吹雪」
[吹雪]:「はい、全然元気ですよ。はあ、はあ……」
[カホラ]:「には見えないわね。どこかに座りましょうか」
[吹雪]:「そうできると嬉しいです」
[カホラ]:「座る場所、座る場所……ん? 何の音かしら?」
[吹雪]:「え? 何か聞こえました?」
[カホラ]:「うん、聞こえない? 何か、流れるような音」
目を閉じて、周囲に耳をそばだてる。
…………。
[カホラ]:「ね? 聞こえたでしょう?」
[吹雪]:「はい、ちょっと聞こえました」
サラサラと、水が流れるような音。
[カホラ]:「ひょっとして、近くに水辺があるのかしら?」
[吹雪]:「でも、そんなのがあるなんて、地図に書いてましたか?」
[カホラ]:「地図には載ってないわね。でも、何だかありそうな感じになってるわよね。ねえ、行ってみましょうよ」
[吹雪]:「そうですね、あったら嬉しいですし」
耳に聞こえる音を頼りに、俺たちはその場所を目指していく。徐々に音は大きくなっていく。もう、すぐ近くにあるのかもしれない。
そして――。視界が一気に開けた。そこには――。