カホラルート・フォルテ(7)
[カホラ]:「ここが、そのエリア内ね」
[吹雪]:「ここのどこかに、ストーンサークルが隠されていると」
[カホラ]:「ええ、おそらく」
[吹雪]:「……相当広いですね、やっぱり」
それにプラスして周りは木々が生い茂っているから視界も悪い。ストーンサークルを隠す絶好の条件ではあるんだが。
[カホラ]:「確かに広いけど、必ずこのエリアにストーンサークルが存在してるのは本当よ」
[吹雪]:「さっき見せてもらったメモにヒントが書いてありましたよね」
[カホラ]:「ええ。森に生きる宝石が目印だって、ピアリーは記してるわね」
[吹雪]:「森に生きる宝石……何のことを言ってるんでしょうね」
[カホラ]:「森に生きるってことは、草木の一種なのかしら?」
[吹雪]:「順当に考えるとそれが一番可能性が高いですよね。それを中心に探してみますか?」
[カホラ]:「そうね。他に宝石と言われて思いつくものがないし」
[吹雪]:「もし、違ったら考え直してみましょう」
[カホラ]:「じゃあ、一緒に探しましょうか、吹雪」
[吹雪]:「はい」
どうして一緒かは……言わずもがなだ。
[吹雪]:「光を放つ植物……先輩は何か知ってますか?」
[カホラ]:「ヒカリゴケ、とかなら知ってるけど、それが宝石かって問われるとそうとは言い難いのよね」
[吹雪]:「そうですね……コケですもんね」
ネーミングからして、お世辞にも宝石というイメージは湧かない。
[カホラ]:「ないとは言えないけど、確信も持てないわね」
[吹雪]:「それだったらラッキーって考えたほうがいいですね」
[カホラ]:「そうね。というか、ふと思ったんだけど」
[吹雪]:「はい」
[カホラ]:「光るか光らないかって、夜のほうが探しやすいんじゃないかしら? 夜行性の植物はいないわけじゃないし、暗いほうが見分けがつきやすいわよね」
[吹雪]:「でも、夜は練習があるから来れませんよね」
[カホラ]:「そうなのよね……気にしても仕方ないか」
[吹雪]:「そうですよ、きっとピアリーは昼に見つけたと思いますよ」
[カホラ]:「理由は?」
[吹雪]:「完全に勘です」
[カホラ]:「そう。じゃあ、私その勘を信じるわね。見つからなかったら吹雪のせいね」
[吹雪]:「え? マジですか?」
[カホラ]:「ええ、マジ」
[吹雪]:「い、意地でも見つけないと……」
とりあえず、植物を中心的に探していこう。
[カホラ]:「手とか切らないように注意しないと」
[吹雪]:「はい」
ケガをしないように。
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