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カホラルート・フォルテ(5)
[吹雪]:「先輩、大丈夫ですか!?」
[カホラ]:「ふ、吹雪……た、助けて……」
先輩の前にいたのは、何と――。
[?]:「じじじ~~~」
[カホラ]:「うう、き、気持ち悪い……」
[吹雪]:「あ、あー、なるほど」
先輩の目の前にいたもの、それはちょこちょこと地面を歩き回る「オケラ」だった。確かにオケラは一年中活動してるからな。ちょっと散歩に出かけにでもきたんだろうか?
と、とにかくだ。オケラには悪いが……。
[吹雪]:「ほら、あっちいけ!」
[オケラ]:「じじじ~~」
踏まない程度に地団太を踏み、向こうに追いやった。
[吹雪]:「先輩、もう大丈夫ですよ」
[カホラ]:「ほ、本当? もう、いない?」
[吹雪]:「はい、何にもいません」
[カホラ]:「よ、よかった~」
心底ほっとしたように先輩はため息を付いた。
今まで知らなかったけど、先輩って昆虫が――。