カホラルート・フォルテ(4)
[カホラ]:「しかし、立派な神殿だな」
つくづく思う。写真とかでしか見たことがないからかもしれないが、それでも外観だけで神秘的な雰囲気は伝わってくる。俺はその内部も知っているから余計に魅力的に感じる。ずっと昔から存在して、それでも尚昔の形のままで残っている、ミステリーだよな。昔から存在しているのなら多少風化とかしていてもおかしくはないはず。だけど、外傷一つもない、その時点で、この神殿がどれほどこの島にとって重要なものなのかが理解できる。だが、どうして存在しているのかは謎……一般人の俺でもその先は知りたくなる。
それを自らの力で解明しようとする先輩。普通なら誰かが出した答えで納得しようとするはずだけど、先輩は自分が納得する答えを自分で導き出そうとしている。本当に立派だと思う。
[吹雪]:「すごい人だよな」
こんな頑張りやの先輩を、手伝ってあげたいって思うのは不思議じゃないよな。
役に立てているなら幸いなんだけど。
[カホラ]:「きゃあああああっ!!」
[吹雪]:「おおっ!?」
向こうから悲痛な叫び声が聞こえた。明らかに先輩だろう。一体何があったんだ?
[吹雪]:「先輩、どうかしたんですか?」
[カホラ]:「ふ、吹雪、助けて~!」
尋常じゃないくらい怯えてる。これは大変だ!
[吹雪]:「今行きます!」
俺は急いで先輩の元に向かった。
…………。