カホラルート・フォルテ(2)
[場所:神殿への道]
[カホラ]:「正直言うと、ピアリーの資料は結構曖昧なところが多かったわね」
[吹雪]:「え? そうなんですか?」
[カホラ]:「あえてって可能性もあるんだけど、やはりまだ謎に包まれていることは多数あるみたいなのよ。項目ごとの締めも自分の目で確かめてみてほしい、とかが多かったし」
[吹雪]:「確証を持てる証拠が見つからないってわけですか?」
[カホラ]:「そうね。でも、彼なりに結論づけた理論がたくさん記されていたから今後のためにつながったわ」
[吹雪]:「ピアリーの株が上がりましたか?」
[カホラ]:「結構ね。それで、知りたかったストーンサークルの場所なんだけど」
[吹雪]:「あ、はい」
[カホラ]:「これも、はっきりここだっていう情報は記載されていなかったのよ」
[吹雪]:「ええ? そうなんですか?」
[カホラ]:「はっきり書かれていないだけで載ってはいるんだけど、これもちょっと曖昧だったの。これは恐らく、あまり明確に書くと悪事のきっかけになるかもしれないと危惧したんだと思うわ」
[吹雪]:「確かに、それは一理ありますね」
[カホラ]:「ピアリーなりの気配りなんでしょう。これが、資料に記されていたストーンサークルの情報よ」
先輩は一枚の紙を俺に渡した。
[吹雪]:「た、確かにアバウトですね」
[カホラ]:「彼も迷った末に見つけたみたいだから、はっきり書く自信がなかったのかもしれないわ」
[吹雪]:「ひょっとして、はっきりと書けなかった理由にはそれもあるんじゃ」
[カホラ]:「可能性はなくはないわね」
先輩のメモによれば、第一のストーンサークルは桜花のピアノの南西に位置しているらしい。
[吹雪]:「何か目印みたいな情報は?」
[カホラ]:「特には書いてなかったわ」
[吹雪]:「これは、ちょっと時間がかかりそうですね」
[カホラ]:「まあ、焦らずに行きましょう。今日がダメなら、明日も行けばいいし。気分転換と思うのが一番いいわよ」
[吹雪]:「そうですね」
[カホラ]:「とりあえず、桜花のピアノのところまで行きましょう」
[吹雪]:「はい」
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