カホラルート・アンダンティーノ(9)
[場所:図書室]
[吹雪]:「お待たせしました」
[カホラ]:「あ、いらっしゃい」
手をパタパタと振りながら。
[カホラ]:「大丈夫だった? 抜け出してきたみたいだけど」
[吹雪]:「あれ? 聞こえてました?」
[カホラ]:「電話越しに繭子先生とかの声が聞こえてたし、みんな集まってるんだろうなって思って」
[吹雪]:「先輩、耳がいいんですね」
[カホラ]:「実はそうなのよ。――おっきい声だったから誰でも気付けることでしょうけど」
[吹雪]:「あはは。でも、問題ないですよ、みんな送り出してくれましたから。杠には迷惑はかけるなって注意されましたし」
[カホラ]:「迷惑かけてるのは私なんだけどねー」
[吹雪]:「厳しいのは俺にだけですから。特に問題はないと思いますよ」
[カホラ]:「そう?」
[吹雪]:「はい。それに俺も、先輩の調べてることに興味が湧いてましたから」
[カホラ]:「嬉しい言葉、ありがとう」
[吹雪]:「本当のことですから」
[カホラ]:「ふふ、じゃあ、ちょっと手伝ってもらおうかしら」
[吹雪]:「はい、了解です」
先輩の後ろについて、本のあるところに向かう。
[カホラ]:「そういえば、分かったことがあるんだけどね」
[吹雪]:「はい」
電話で言ってたことか。