カホラルート・アンダンティーノ(8)
[吹雪]:「悪い、みんな付き合ってくれ」
[舞羽]:「うん、いいよ」
[聖奈美]:「ま、他にすることもないから」
[フェルシア]:「じゃあ私、持ってくるわね」
フェルシア先生は部屋を出ていった。
[聖奈美]:「そういえば、カホラ先輩はどうしたの? さっきから姿が見えないようだけど」
[舞羽]:「確かにいないね、午後は練習がないはずだけど」
[繭子]:「どこかにお出かけしてるのかな?」
ちょうどそんな話をしている時だった。
[吹雪]:「ん? 電話だ」
液晶には、カホラ先輩と映っている。
[吹雪]:「もしもし」
[カホラ]:「もしもし吹雪? 今大丈夫かしら?」
[吹雪]:「ええ、大丈夫です。先輩、どこかにお出かけしてるんですか?」
[カホラ]:「まあ、確かにお出かけかしら。場所は図書館なんだけど」
[吹雪]:「あ、そうですか。いつもの、ですか?」
[カホラ]:「そう、いつものよ」
いつもの、それだけで何をしてたのかが分かった。
[吹雪]:「何か分かったことでもありましたか?」
[カホラ]:「あ、そうそう。ちょっとだけ分かりそうなことがあるんだけど、ちょっと一人じゃ大変なのよ。だから、吹雪に手伝ってもらいたくて電話したの」
[吹雪]:「あ、そうなんですか」
[カホラ]:「いいかしら? 用事があるんならそっちを優先してくれて構わないけど」
[吹雪]:「いえ、大丈夫です。こっちはダラダラしてるだけですから」
[カホラ]:「本当? じゃあ、お願いしていいかな?」
[吹雪]:「はい、了解です」
[カホラ]:「じゃあ、図書館にいるから。準備終わったら来てちょうだい」
[吹雪]:「分かりました、じゃあ一旦切りますね」
[カホラ]:「ええ、よろしく」
[繭子]:「カホラちゃん?」
[吹雪]:「ああ、というわけで、俺はちょっと行ってくる」
[繭子]:「ええ!? 一緒に遊ばないの~?」
[吹雪]:「悪いな、協力するって前から言ってたんだ。4人でやっててくれ」
[繭子]:「ふーちゃんとも遊びたかったのに~」
[舞羽]:「そう言わずに。マユさんを楽しませるように頑張りますから」
[フェルシア]:「そうよ。一応教師なんだから、生徒の思いは汲んであげなさい。はい、トランプ」
[繭子]:「一応、じゃないもん。とっても教師だもん」
[フェルシア]:「だったらなおさらよ。気をつけて行ってらっしゃいね? 吹雪くん」
[吹雪]:「はい、分かりました」
[聖奈美]:「先輩に迷惑かけるんじゃないわよ?」
[吹雪]:「努力はするさ」
[ダルク]:「頑張ってねー、吹雪」
……………………。