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ソプラノ  作者: BAGO
アレグロ
13/1013

アレグロ(7)

[実況者]:「勝負ありです。大久保選手、後藤選手に見事勝利しました」

[聖奈美]:「……あの後藤さんをあんなに圧倒して倒すなんて。それにあの魔法の豊富さ。く、何なのよ、あの男は」

[ダルク]:「聖奈美、どうしたの?」

[聖奈美]:「何でもないわ。さあ、試合の前にウォーミングアップしなきゃ」

[ダルク]:「う、うん」

[聖奈美]:「(今に見てなさい、絶対に、負かしてやるんだから!)」


――その後の三回戦、準決勝を俺は何とか勝ち抜くことに成功した。さすがはマジックコロシアム、上に行けば行くほど苦戦を強いられたが、辛くも勝利することに成功した。特に小林はかなり強かった、さすがは去年の準決勝出場者と言ったところだろうか。大分疲れが溜まってきたがここからが本番だ。あの女と勝負するために、俺はここまで勝ち抜いてきたわけだし。あいつに勝って、俺の実力を証明してやらなければ。

[舞羽]:「まだいけそう? 吹雪くん」

[吹雪]:「ああ、何とかな」

[愛海]:「いやー、それにしてもやるわね大久保くん。現時点でみんな脱帽状態じゃーん。何で去年出場しなかったのかみんな不思議がってるわよ」

[吹雪]:「前にも言っただろ? 俺は見るのが好きなんだ、実際に出るのは好きじゃないの」

[愛海]:「――本当は?」

[吹雪]:「いや、本当だよ」

[愛海]:「ええー? じゃあ来年は出ないの?」

[吹雪]:「まあ、何事もなければな」

[愛海]:「うわー、つまんなーい。つまんなすぎてぬるぬるするー」

[吹雪]:「例えがわけわかんねぇよ」

[舞羽]:「愛海、もともとは吹雪くん出る予定なかったんだよ? 無理強いしちゃダメだよ」

[愛海]:「だってー。舞羽は来年も大久保くんの勇姿を見たいと思わないのー?」

[舞羽]:「え? それは、見れるなら見たいけど」

[愛海]:「でしょー? 仮に今回優勝しちゃって来年は出ないなんて言ったら、大久保くん相当嫌われるわよ」

[吹雪]:「な、何でだよ」

[愛海]:「あなたの戦いぶりを見たくてマジックコロシアムを楽しみにしていたのにまさかの欠場、嫌われるのは目に見えてるじゃない」

[吹雪]:「そんな大げさな」

[愛海]:「大げさ? 分かってないわね大久保くんは。こういうトレースがみんなの中では成り立ってるのよ、すでに。今回の大会で大久保くんが善戦する=大久保くんの知名度が上がる=来年も出るものと期待される。なのに、来年の大会で大久保くんが出ない=去年の戦いぶりを見て大久保くんのファンになった人が驚愕する=ファンが悲しむ=マジックコロシアム見る気がなくなる=マジックコロシアムの人気がなくなる=マジックコロシアムが廃止される=大久保くんが嫌われる=大久保くんが殺される、ってことになるのよ」

[吹雪]:「待て待て、最後の飛躍がおかしすぎるだろ」

[愛海]:「ええ? 一体どこが?」

[吹雪]:「俺の人気がなくなるっていうのは何となく分かるが、最後の二つ、コロシアム廃止と、俺が殺されるってどう考えてもあり得ないだろ」

[愛海]:「イッツ・ア・バイオレンス、ね」

[吹雪]:「ね、じゃねぇよ!」

[愛海]:「それだけ大久保くんには出てほしいのよ、みんなは」

[吹雪]:「そんな声は去年聞かなかったぞ」

[愛海]:「今年になって大爆発したのよ。特に今、ナウ、初出場で決勝まで進出したのよ。嫌が応にも注目は集まるでしょう」

[吹雪]:「それ言ったら、杠のが注目度は高いじゃないか」

あいつは一年生にして優勝を果たしたわけだし。

[愛海]:「確かに、彼女はすごい人気よ。去年なんて本当にすごかった。だから、今年二連覇を果たせば、もう学園中の注目は彼女に集まるでしょうね」

[吹雪]:「まあ、そうだろうな」

[愛海]:「でも、バット」

[舞羽]:「ちょくちょく英語挟まなくても……」

[愛海]:「今年はその注目も真っ二つに分かれてる、何故って、それはユーが出てるからよ大久保くん」

[吹雪]:「関係ないだろ、俺は」

[愛海]:「あるわよ、おおあり地獄」

[吹雪]:「何だよそれは」

[愛海]:「今言ったとおり、大久保くんの注目は現在鰻登りよ。何でかって、初出場で決勝まで来たからよ」

[吹雪]:「それくらいでそこまで――」

[愛海]:「来るのよ、それが」

[吹雪]:「うわっ!?」

[愛海]:「確かに、みんな杠さんには注目してるわ。去年の鮮やかな勝ち方をみんな知ってる。でも、中には順当にいくのをつまんないって思う人もいるわけよ。あまりの強さに見応えがないって意見を持ってる人もいるわけ。そこに大久保くんが現れた。しかも、初出場で決勝まで。ダークホースの登場に、みんな期待は急上昇」

[吹雪]:「それなら誰でもいいじゃねぇか」

[愛海]:「それは違うわ」

[吹雪]:「何が?」

[愛海]:「みんな知ってるからよ、あの日のことをね」

[吹雪]:「あれか……」

確かに、声でかかったからな杠の。

[愛海]:「あんな大きな声で喧嘩してれば、気づくのは当たり前でしょう? みーんな集まってきてたわよ、何事かってね。おまけで私もたくさんの人に教えたし」

[吹雪]:「じゃあお前が情報を流したんじゃねぇかよ」

[愛海]:「大丈夫よ、主に三年生だから」

[吹雪]:「何が大丈夫なんだよ」

[愛海]:「まあまあ。それを抜きにしたって、二年生間では注目度マックスなことは確かよ」

[吹雪]:「ん、んん……」

[愛海]:「次の決勝、すごいことになってるわよー? きっと」

何か、無駄にプレッシャーだな。

[愛海]:「名勝負、期待してるからねー?」

[吹雪]:「まあ、全力は尽くす」

[舞羽]:「頑張って、吹雪くん」

[吹雪]:「おう」

舞羽の料理、食いたいしな。

[吹雪]:「よし、行ってくる」

俺は召集場所に向かった。

……………………。


誰がしゃべってるのか分かりやすくしてみました。

よければ評価お願いします^^

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