カホラルート・コモド(6)
最初に聴いたものより、メロディーラインに箔が付き、より綺麗な音色となって俺の耳に届いた。
[セフィル]:「いいじゃないか、カホラ」
[カホラ]:「ありがとうございます」
[セフィル]:「やはり吹雪の言ったことは正解だな。テンポの変化を分かりやすくすることでよりこの曲の深さが味わえる、他の3人にも伝えなくてはいけないな」
学園長は手帳に文字をささっと走らせた。
[カホラ]:「ふう……」
[セフィル]:「ん、もう時間か。今日は上がりにしよう、頑張ったなカホラ」
[カホラ]:「はい、ありがとうございました」
[セフィル]:「吹雪もご苦労だった。君のアドバイスがいい方向に進みそうだ」
[吹雪]:「ご助力できて何よりです」
[セフィル]:「よし、早速メロディーラインに関して3人に伝えてくるとしよう。まだ練習してるはずだからな。カホラ、鍵をかけるのを忘れるなよ」
[カホラ]:「ええ、分かったわ」
[セフィル]:「さて、それじゃあ私はもう一仕事だ」
学園長は先に歩いて行った。時刻は9時40分、少々早めに終わったらしい。
[吹雪]:「寝床に戻りましょうか?」
何とはなしに聞いてみた。
[カホラ]:「その前にちょっと学食に行きましょう。喉が乾いちゃったわ」
[吹雪]:「あ、了解です」
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