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ソプラノ  作者: BAGO
アレグロ
12/1013

アレグロ(6)

「さあ、二回戦第二試合です。後藤選手(三年生)VS大久保選手(二年生)です。どちらも好位圧倒の試合を繰り広げた二人の対決これは見逃せません」

「フレー、フレー、ふ・ぶ・き、はい、フレ、フレふぶき、フレ、フレ、ふぶき、ワー!」

一回戦を勝ち抜いてきた相手だ、気を抜くことは許されない。後藤さんは、さっきの翔の時に雷の魔法と水系の魔法、それに瞑想を唱えていたな。それに合わせた魔法を使わなければ。特に瞑想は唱えられると、かなり戦いがキツくなりそうだ、できれば使ってほしくはない。させないためにも、隙を与えないようにしないといけないだろう。

……あの技も、できれば温存しておきたいしな。

「さあ、注目の第二試合です。レディー・ゴー!」

「行きます、――エル・エルファンディス・炎の精霊よ、我に力を与えたまえ、バーニングエッジ!」

「それならこっちは――エル・エルセリウス、アクアリングシールド!」

――シールドの前に、俺の攻撃はかき消されてしまった。

水の前では炎は通じない。それなら、俺も雷だ。

「雷よ、我に力を与えたまえ。――ライトニングジュエル!」

「来たわね、雷なら負けないわ! ――ボルテクス!」

お互いの魔法が拮抗し、そして爆発を起こした。

「おっと、序盤から激しい魔法の撃ち合いです」

さすがは雷系の高位魔法、威力が半端じゃあない。あれをまともに喰らったら、きっと立っていられないな。

「――エル・エルフィニウス、風の精霊よ、我に力を与えたまえ、ウィングセイバー!」

「くっ、噂には聞いていたけど、何て多彩な技を。――ウォーターウォール!」

…………。

少々荒っぽいが、隙を与えないためには攻撃を仕掛けるのが一番だ。ここは、ごり押しでいく。

「大久保選手の激しい攻撃、後藤選手、反撃体勢に入ることはできるか?」

「――スプラッシュ!」

水柱が足下から上がり出す。

「おっと……」

少々危なかったが、何とか持ちこたえる。休まずいくぜ。

ウォーターウォールを使ってたはず、ならもう一度、雷だ。

「――ライトニングジュエル!」

「くそ……、ボルテクス!」

あっちも打ってきたか。だが、シールドを張っている分、先程よりも威力は落ちるはず。

バーン、バーン。雷がぶつかり合い、激しい爆発が連続で起こる。

そのうちの一つが、後藤選手のボルテクスをすり抜け、シールドにぶち当たった。

「きゃあっ!?」

やはり相性がいいのか、一発の雷で水のシールドはかなりのダメージが蓄積された。このままいけば、シールドは破壊できるんじゃないか。

バーン、バーン。

「まずい……壊される」

「(――届け!)」

ズガーン。

「きゃああっ!?」

「おおっと、ついに後藤選手のシールドが壊れました! 後藤選手、ここから立て直すことは可能なのか!?」

「(このまま行くぞ!)――ウィングセイバー!」

「く、水の精霊よ、我に力を与えたまえ、――アクアマシンガン!」

水と風、相性的には同じくらいだ。……相打ちか? 水と相性がいいのは雷なんだが、後藤選手は雷系を得意としてる。相殺されることは必至だ。水と雷、どちらにも同じくらい効果がある魔法……。

バーン、バーン。

「(そうか、あるぞ、地属性だ――)」

水に強く、雷に強い。地属性なら、水を吸い込み、雷を無効化する。やってみる価値はあるんじゃないか?

善は急げだ、魔力に余裕があるうちに。

「――エル・エルティクス、大地の精霊よ、我に力を与えたまえ。――スティンガー!」

「また、別の魔法を……」

「大久保選手、またしても新たな魔法を唱えました。後藤選手、この猛攻を抑えられるのか!?」

「おのれ、――アクアマシンガン!」

…………。

「き、効かない? ――ボルテクス!」

さすがの雷も、地の前には無力のようだ。

「くそ、やはり地には効果が……」

どうやら大当たりだったらしい。

「うっ、きゃあああああっ!」

俺の攻撃は、後藤選手にヒットした。

「く――」

「…………」

「ま、参ったわ……」

「勝負ありです。大久保選手、後藤選手に見事勝利しました!」

周囲から大きな歓声が上がった。

「ふーちゃーん、いいぞー!」

「ふう」

安心した。正直、かなり後藤さんは手強かった。これが経験の差ってやつか。

「いい勝負でした」

「そんなことはないわ。防戦一方で、完敗よ。でも、あなたと戦うことができてよかったわ」

「自分も、先輩と戦えてよかったです」

「ありがとう。あなたなら、杠さんを倒せるかもしれないわ、頑張りなさい」

「はい、ありがとうございます」

俺たちは、握手を交わした。


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