カホラルート・コモド(1)
予告した通り、ここからは個別ルートです。
カホラちゃんのキャラがどんなのか知りたい方は、彼女の選択肢が前回の作品に書いてあるので確認するといいかもしれません。
それでは、拙い文章ですが、楽しんでいただけると幸いです。
12月16日(木曜日)
[場所:グランド]
[吹雪]:「はあ……はあ……」
[セフィル]:「よし、少し休憩を入れよう」
[吹雪]:「はい……」
[セフィル]:「練習を始めてから結構経つが、それでもやっぱり疲れるか」
[吹雪]:「そりゃそうですよ、最初の頃とペースが全然違いますからね」
最近は最初から結構なハイペースだからな、疲れないわけがない。
[吹雪]:「確実に力にはなってると思いますけど」
[セフィル]:「何だかんだ言ってちゃんとペースに従って走れているからな。今なら陸上部とも好勝負できるかもしれないぞ」
[吹雪]:「それはないですよ、あっちはプロフェッショナルなんですから」
[セフィル]:「どんな世界にもビギナーズラックというものが存在するはずじゃないか」
[吹雪]:「いや、それでも善戦止まりですって。というか、俺は決してランナーになりたいんじゃありませんから」
[セフィル]:「うむ、女子相手なら勝てると思うんだがな……」
[吹雪]:「それは話が違ってきますよ……」
女子相手に勝って喜んでいる俺……想像するだけですごく恥ずかしい。
[セフィル]:「気が向いたら勝負してみたらどうだ?」
[吹雪]:「いや、遠慮します。優先しなくちゃいけないのは練習のほうですから」
[セフィル]:「息抜きにピッタリじゃないか」
[吹雪]:「余計に疲れちゃいますよ……」
[セフィル]:「走るのは嫌いか?」
[吹雪]:「嫌いではないですけど……それだったら陸上部に入ってますし。だからって専門にはしたくないです」
[セフィル]:「難しいところだな」
[吹雪]:「と、とにかく、陸上部との勝負は遠慮させてもらいます。自分の練習を精一杯頑張らせてもらいます」
[セフィル]:「うむ、いい心がけだ。その意気があれば、きっと成功するはずだ」
何故か誉められてしまった。
[セフィル]:「さて、そろそろ行けるか?」
[吹雪]:「はい、大丈夫です」
[セフィル]:「くどいようだが、無理はしては駄目だぞ? いいな?」
[吹雪]:「はい」
――そして今日も本練習が始まる。