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カランド(27)
[場所:図書室]
入ってすぐだった。
[繭子]:「あ、あった」
図書室の中央にある机の上に、書置きと共にキーホルダー付きの鍵が置いてあった。
[フェルシア]:「落し物って書いてあるわね」
[繭子]:「そっか、ここに落ちてたんだ~。あ~見つかってよかった~」
心底安心した様子でマユ姉は鍵を閉まった。
[吹雪]:「掃除してる最中に誰か拾ってくれたんでしょうね」
[フェルシア]:「そうね、落し物って書いてくれてるわけだし。親切な人だったのね」
とりあえず、見つかって何よりだ。
[吹雪]:「もう無くすなよ? マユ姉」
[繭子]:「うん、肌身離さず持ってるよ~」
――最後は随分とあっけなく、鍵は見つかった。まあどんな形であれ、無くしてしまったわけではないからいいとしよう。
[繭子]:「ふーちゃん、フェル、手伝ってくれてありがとう」
[吹雪]:「まあ自分家のことだからな」
[フェルシア]:「いいのよ、見つかってよかったわね」
こんな顔されたら、何にも言えないよな。