アンダンテ
大久保吹雪
身長:170.3cm
体重:58kg
性格:陽気、時に慎重
好きなもの:ゲーム、楽しいこと
所属:魔法研究部
須藤舞羽
身長:161.9cm
体重:46.4kg
スリーサイズ:84/56/82
性格:穏やか、少し天然
好きなこと:バードウォッチング、主人公と遊ぶこと
所属:魔法研究部
主人公の呼び方:吹雪くん
大久保繭子
身長:147.5cm
体重:38.6kg
スリーサイズ:73/52/76
性格:破天荒、適当
好きなこと:寝坊、昼寝
所属:学園教師
主人公の呼び方:ふーちゃん
杠聖奈美
身長:168.2cm
体重:50.7kg
スリーサイズ:86/59/89
性格:いじっぱり、ツンデレ
好きなこと:学園のために尽力すること
所属:生徒会
主人公の呼び方:大久保
沢渡・E・カホラ
身長:159.6cm
体重:47.0kg
スリーサイズ:92/61/92
性格:淑やか、大人っぽい
好きなこと:読書、トランプ
所属:魔法研究部
主人公の呼び方:吹雪
島貫 翔
身長:181.9cm
体重:73.2kg
性格:やんちゃ、お調子者
好きなこと:ナンパ
所属:魔法研究部
主人公の呼び方:吹雪
芳田祐喜
身長:164.2cm
体重:53.3kg
性格:冷静
好きなこと:知恵の輪
所属:生徒会
主人公の呼び方:吹雪
日野愛海
身長:157.1cm
体重:46.2kg
性格:お茶目
好きなこと:悪戯
所属:魔法研究部
主人公の呼び方:大久保くん
フェルシア・アスタルテ
身長:174.2cm
体重:53kg
性格:温厚、優しい
好きなこと:生徒の笑顔を見ること
所属:保健の先生
主人公の呼び方:吹雪くん
沢渡・E・セフィル
身長:169.6㎝
体重:51.3kg
性格:娘思い、誠実?
好きなこと:生徒との関わり
所属:学園長
主人公の呼び方:吹雪
……………………。
…………。
……。
チリリリリリリリリリリ。
「ん……朝か……」
くっつく瞼を無理やり引き剥がして、俺は目覚ましのスイッチを押した。んぅ……目覚ましがなったってことは、もう7時か。朝になるのが早い気がするが、もう少し寝ていたいんだけどな。
だが、仕方あるまい、俺が起きなきゃ、朝飯が食えないもんな。それもこれも、あのチビ介が何の家庭スキルも持っていないせいだ。嘘じゃない、洗濯、掃除、料理、何をやらせても全くこなす事ができないすごい人。ある種の才能とも思えるな。
さて、ぶつくさ言ってても始まらんし、さっさと作るとするか。
俺は寝巻きを脱ぎ、制服に着替え、台所へと向かった。
……………………。
これでよし。後はあの人が起きてくればいいんだが……んなわきゃないよな。目覚ましをかけたところで自力で起きれるわけがない。長い付き合いだ、薄々分かってた。
「本当に、あれで大丈夫なのか?」
俺はあの人の待つ部屋へと向かった。
……………………。
「はあ、やっぱり寝てるよ……」
「スピー、スピー……」
気持ち良さそうに寝やがって、つか目覚ましかけてねぇじゃねえかこのチビ介。俺任せってことですか? あなた。
「おい、マユ姉、朝だよ、起きな」
「んん……グー……グー」
「起きろって、マユ姉」
「んぎゅぅ……後27分34秒……」
何じゃその数字は? 長いし刻んでるし……どんな時間計算だよ。
「起きろ、起きないと、飯抜きだぞ」
「ご飯はフォアグラですかぁ~~?」
「んなわけねえだろ」
そんな食材スーパーで売ってねえよ。
「じゃあフグ~?」
「だから、高級食材から離れろ」
「知ってる~? ふーちゃん、フグは河の豚って書くんだよ~?」
「だからなんだよ!?」
「寝ま~す……グー、スー、ピー」
「このチビ介……」
毎朝こんなのってないよな……。本当にもう……こうなったら強行手段に出るか。
バサっと。
「う、うう~~、寒い~~~」
「だったら起きろ、茶の間は暖かいぞ」
「くそー、負けるものかー。ワタシは寒くても寝れるんだから~。……スピー」
「本当に寝やがった」
なら、これならどうだ。
「お・き・や・が・れ!」
「んぎゃう~~~~世界が回る~~~~」
肩に手を置いてマユ姉をシェイクする。
「あー、何か気持ちよくなってきた……グー」
「だから、寝るなって言ってんだろー!」
「お休みー……グスー、ズオー」
「いい加減起きないと、さすがに俺もプッチンするぞ? マユ姉」
「グピー……ズコー……」
「ああ、そうか、よーく分かったよ」
そうまでして起きないっていうなら、俺ももう、容赦しないからな? よし、やってやるぜ!
「――エル、エルアリス、水の精よ、我に力を与えたまえ……」
よし、詠唱完了。
「そら!」
ボスッ。俺が何を出したかって言うと――。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……ゴボゴボゴボ! ん、んんぅ~~~~!」
「お、苦しみだしたぞついに」
「んぐ、んぐぐ~~! ゴボゴボ、ん、んん~」
「出して欲しかったら、ちゃんと起きるんだ。約束する?」
「んん、んん。ゴボゴボ」
よし、なら出してやろう。俺は詠唱によって出現させた水のボールを消してやった。
「ゲホゲホ、ちょっと、何してるのよふーちゃん!」
「何してるだ? どの口がそれを言ってんだよ」
「んぎー、ひっふぁらないでよー」
「元はと言えば、マユ姉が起きねーからこうなったんだろうが。全部マユ姉の性なんだぞ。それを分かって言ってんのか? ええ?」
「もちろん、分かった上で言ってるのよ」
「この、チビ介がー」
「んぎー! 口が、口が裂けるー、口裂け女になっちゃう~~!」
「なっちまえ、口裂け女になっちまえ!」
「んぎゅあーー! 誰か助けてー!」
「謝れ、許してほしかったら謝れ。俺に謝れー」
「わ、わ、分かりましたー。だから、手をはにゃして~~」
俺はマユ姉を解放してやった。
「うう……絶対口が大きくなってるよー」
「物がたくさん入れられるようになってよかったじゃねぇか」
「誰がやったことだと――」
「あん? 何だって?」
「はい、全てワタシのせいです」
「分かればよろしい」
「うう、まだ眠いよー髪が濡れてるよ~」
「ぎりぎりまでいつも寝かせてやってんだ、少しは我慢しろって」
「だって、睡魔には人間勝てないんだよ? 敗北は約束されてるんだよ?」
「気持ちは分かるけど、そこで負けてたら遅刻確定じゃないか。それに、マユ姉の仕事は何だ?」
「ん、教師」
「だろ? 生徒の模範になるべき存在が、遅刻したなんて笑い者になるじゃねぇか」
「こうなっちゃだめよ? ってことを教えられるんじゃない」
「反面教師かよ、却下。俺の評判がさらに下がっちまう」
「えー? 何よ、それ。ワタシのせいでふーちゃんの評価が下がってるみたいじゃーん」
「正にそのとおりなんだよ」
「ガーン」
「分かったらさっさと着替えて、仕度してくれ。朝ご飯できてるからよ」
「はーい」
全く、昔から変わらず寝ぼすけで困ったもんだ。
大久保繭子、俺の義理の姉で、俺が通う学園の教師でもある。あんなんで教師が務まるって考えると、世も末だなって思えてしまう。悪い人じゃないんだが、さっきも言ったとおり、家では何の役にも立たない&いつも駄々をこねるから時々悩まされるんだ。まあいてくれるだけで、心の支えにはなってくれてるんだけどな。
「――さてと」
テーブルに並べるか。
「はい、お姉ちゃん登場~~」
「…………んー」
「どうかした? ふーちゃん」
「いや、別に」
この容姿に教師のスーツを着せて「教師です」って言っても、信じてくれる人は一割もいないだろうな。俺自身、本当に教師であることがまだ半信半疑だ。何故か? それは後々分かってくるはずだ。
「何か気に食わないような顔してるね? ふーちゃん」
「そんなことはないよ、気にしない気にしない」
「ホントに?」
「ああ、んなことより朝飯食おうぜ? 時間がなくなっちまうよ」
「わーい、ご飯だご飯だ」
マユ姉は嬉しそうに朝飯に食らいついた。
「あむ、あむ、もぐもぐ……」
朝からよく食うな、マユ姉は。作ったほうもこれくらい食ってもらえると嬉しいけど。
「ふーちゃん、おかわり」
「はいはい」
空になった茶碗に新しくご飯を装う。
「はいよ」
「ありがと」
そう一言いって茶碗にかぶりつく。
「んー、ふーちゃんのご飯はおいしいねー」
「ありがとよ」
「ワタシじゃ出せないよーこの味は」
「出せないっつうか、料理しようとしねぇじゃねぇか、マユ姉は」
「ん? そんなことないよー」
「見事に棒読みだな」
「そんなことないよー」
「棒読みじゃねぇかよ」
「いいじゃん、そんなことは」
「マユ姉が言い出したんじゃねぇか」
「とにかく、おいしいよ、朝ご飯」
「まあ、ありがとよ」
お礼の言葉は素直にもらっておこう。
……………………。
「ごちそうさまでしたー」
「すぐ行くから準備してろよ」
「はーい、じゃあワタシは――」
「間違っても二度寝したりすんなよ?」
「わ、分かってるよ……」
あれはするつもりだったな、油断も隙もあったもんじゃないぜ。
「いいかマユ姉。準備し終わったら外で待ってろ、いいな?」
「はーい、分かりましたー」
子供っぽい声で返事して、マユ姉はピョコピョコと玄関に走っていった。
さて、俺は、洗い物だな。
……………………。
「よし、行くか」
カバンを持って俺は外に出る。
「あ、吹雪くん、おはよう」
そこには親しい幼馴染の姿があった。
「おう、舞羽」
「今日は少し遅かったね」
「ああ、そこのチビ介が寝坊したからな」
「何よー? チビ介ってー、好きでこうなったんじゃないもん」
「問題はそっちじゃねぇんだよ」
「だって仕方ないよー、睡魔は――」
「それはさっき聞いたからいい。二番煎じだ」
「むー、ふーちゃん冷たい」
「マユ姉のために言ってんだよ、俺は」
「これでも教師だよ? ワタシ」
「教師が生徒に教えてもらってちゃ世話ないだろうが」
「グサー」
自分で効果音を付けてるし……。
「舞ちゃーん、ふーちゃんがいじめるー」
「いじめてはないと思いますよ? 繭さん」
「舞羽に助けを求めんな。10:0でマユ姉が悪いじゃないか」
「そ、そんなことないもん」
「じゃあ、俺の何処に否があるっていうんだ?」
「…………義理の弟」
「何も関係ないじゃねぇかよ!」
ビシッ。
「あう、イターイ」
「ごめんな、舞羽」
「ううん、全然」
須藤舞羽、俺の子供の頃からの幼馴染だ。舞羽とはもう、十年以上の付き合いになる。何処に行くにも何処で遊ぶにも、いっつも一緒だった。ぶっちゃけ、俺の中では家族みたいなものだ。気の置けない、とてもできた子だと思う。
「ほら、いつまでも頭抑えてないで、行くぞ」
「ふーちゃんがやったんじゃないのー」
「うふふ」
これから、頑張って書いていくのでよろしくお願いします。
よろしければ評価のほうお願いします^^