第24話 初めてのギルドカード決済と、とんでもない手数料
「はい、ごめんなさい……来週の宿代も一緒に払いますので、少し待ってください」
ついこの前、一週間分を前払いしたはずだった。
だが、もう一週間経っていたらしい。
この宿に泊まり続けるなら、当然また支払いが必要になる。
もうすぐ町を出る予定ではあるが、出発日は決まっていない。
というか、おっさんから何も聞いていない。
「あ……手持ちがないので、銀行から――」
「おや、口座を持ってるのかい? ならこれを使いな」
店主が一枚のカードを差し出した。
「ギルドカードを重ねてみてくれ」
――そういえば。
銀行で、ギルドカードで金のやり取りができると聞いた気がする。
言われた通り、カードを重ねる。
すると――
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【ギルドカード決済】
■支払先:ガーター亭
■請求金額:3,500g
■手数料:350g
■合計:3,850g
【認証:待機中】
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「……すごい」
まるでステータス画面だ。
「問題なければ承認してくれ」
宿代は一日500g。
一週間で3,500g――計算は合っている。
だが、手数料が350g。
(高くないか……?)
疑問は残る。
だが、銀行へ行って戻る手間に比べれば圧倒的に楽だ。
「承認します。どうすれば?」
「一度離して、『承認する』と言いながらもう一度当てるだけだ」
――簡単すぎる。
半信半疑のまま、言われた通りにやる。
「承認する」
それだけで支払いは完了した。
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【支払い完了】
■支払額:3,850g(手数料込)
■残高:5,150g
【残高】
■現在残高:5,150g(銀貨 5 枚、銅貨 1 枚、半銅貨 5 枚)
履歴:宿代 −3,500g
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「……すごい」
履歴まで残るのか。
現金を持ち歩く必要もない。
盗まれる心配もない。
(これ、最強じゃないか……?)
俺はそのまま宿を出た。
足取りは軽い。
今日は露天市場へ向かう。
すでに、おっさんとエリヤが準備をしていた。
「おはよう、なまくさジョン。今日はどうする?」
「おはよう! 今日は何すればいい?」
「今日は休みでいいぞ。ごほうびだ」
そう言って、おっさんは袋を差し出した。
「売り上げの半分だ」
「え……?」
中を見る。
――金貨1枚、銀貨29枚。
「多すぎるだろ!?」
これが俺の取り分……?
お祭り前で客が増えたとはいえ、とんでもない額だ。
「現金は怖いなら、カードで送るぞ」
「それがいい!」
すぐにギルドカードを重ねる。
「承認!」
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【入金完了】
■送金元:スズキタケシ
■入金額:129,000g
■手数料:12,900g
■受取:116,100g
【残高】
■現在残高:121,250g(金貨1枚、銀貨21枚、銅貨2枚、半銅貨5枚)
【履歴追加】
・スズキタケシ +129,000g
・宿代支払い −3,500g
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「は?」
――手数料、デカすぎないか?
一日の稼ぎの何倍だよ。
(銀行、ぼったくってないか……?)
だが、それ以上に目を引くのは残高だった。
金貨1枚。
銀貨21枚。
「……やばい」
こんな金額、持ったことがない。
「使いすぎるなよ」
おっさんが言う。
「金は使うものだ。使われるな」
「分かってる!」
今日は完全な休みだ。
狩りもしない、料理もしない。
(何買おうかな……)
自然と足は祭り会場へ向かっていた。
人、人、人。
いつもとは別世界のような賑わいだ。
まず買ったのは――串焼き。
「……うまっ」
これが“ブタ”の肉か。
普段食べている蛇肉とは別物だ。
柔らかくて、脂があって、うまい。
気づけばもう一本買っていた。
(まだまだ余裕だな)
カードでの支払いも一瞬だ。
まさに魔法のカード。
そんなときだった。
「さぁ見てらっしゃい! 技テク売りだよ!」
「……あっ」
見間違えるはずがない。
あのクソみたいな技書を売りつけてきた男だ。
思わず飛びかけたが――踏みとどまる。
(……様子を見るか)
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 18
盾スキル 3
戦闘技術スキル 11
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
671g(銀行預け金:120,590g(金貨1枚、銀貨20枚、銅貨5枚、半銅貨9枚))
【所持アイテム】
・蛇肉(大量)
・???のスクロール 6枚
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・木剣2本
【装備品】
・骨護札の首かざり
・水トカゲの手袋(呪)




