魔法猫
それは、魔法。
あたしにとっては魔法でも
あなたにとっては なんてことないってこともある
トビウオみたいに飛沫をあげて泳げたり
シマウマみたいに風を切って走れたり
アフリカゾウみたいにすごく力持ちだったりしても
あなたは こんなのなんてことないって
からから 笑ってみせた
あなたにとっては魔法でも
あたしにとっては なんてことないってこともある
唇が口ずさめばメロディになるし
鉛筆を握ればコアラが描けるし
てきとうにでっちあげれば おはなしだって紡げるよ
あたしは こんなのなんてことないって
にひにひ わらってみせるから
だから
モグラが土の中に隠れてられるのだって
鳥が空をとべるのだって
なんてことなく できるやつらにしてみれば
魔法でもなんでもない
なんてことないことなのかもしれない
だけど
美味しい料理をつくれるのだって
綺麗にお掃除できるのだって
なんてことなく できもしないあたしにしてみれば
それは ものすごい魔法で
なんてことないなんて めっそうもない!
だから猫
あいつらの可愛さといったら
あいつらにとっては あたりまえで
なんてことない可愛さなんだろうけど
あたしにとっては
あれはやっぱり なんてことないことなんかなくて
猫の可愛さはそれだけで 魔法なんだ
だからあいつらは魔法猫
猫は みーんな あの可愛さに魔法がかかってる
猫は みーんな みーんな 魔法猫
あいつらにとっては あの可愛さも
なんてことないのかもしれないけど
しゃべるやつは、魔法猫というより化け猫です。
それもいいかも(笑)