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第7話 推定飛距離50m

 いいぞこれなら行けるっ!


「無駄無駄無駄無駄ッ!」

 暇だし、俺は今までなくなったパンツの枚数でも数えておくよ。


「いややっぱりっ! む、無理無理無理無理っ!」

「クリスっ! 頑張って!」

 ソフィたんの強制的なバフがかかる!

 そういえば、それ人間に使って大丈夫なの?


「う、うん……クリスなら大丈夫かなって……」

 わぁ、ぶっつけ本番だぁ!


「くぁぁあああ! 体がっ! 最高にハイになるゥッ!」

 そう言ってさっきにも増して勢いを増していく!


「すっげ、あいつ人間やめてるぞっ!」

「失礼だよっ! でもクリスも大丈夫そうで良かった♪」

 何気に人間に魔法使えたの初めてだもんね! 良かった良かった!




「キュイー! キュイー!」

 スライムも何だかよくわからない猛攻にクリスを排除しにかかる!

 体を抉ってくるクリスに対し外側からの触手攻撃っ!


「ちょっとすごいほのおのうず」

「『ウインドストーム』!」

「えーい!」

 それに対しお嫁さん達がクリスの邪魔をさせるものかと触手を散らす!


「行くのよっ! クリス!」

「くらえっ! 桜花流……乱れ咲き!」

「えーい!」

 

 いよいよクリスが大技っぽいのを放ちスライムの核が表れる!

 そこに!





 コツーン。

 ピキッ。


「「「「……え?」」」」

「キャーやりましたわー! スライムの弱点っぽいところに当たりましたわぁっ!」

 肩強っ。


 ピキピキピキッ!

 音を立ててヒビが入っていく核。


 スライムは体の維持ができなくなったようで、徐々に崩れ溶けていく。


 スライムもまさか最後の一撃がプリンちゃんの投げた小石になるとは思わなかっただろう……。

 きっと誰もがそう思っているに違いない。




「あ、あれ? 私の頑張り……あれ?」

 あかん、クリスが呆然として動けてない!


「ク、クリスー!」

 急ぎクリスの元へ向かい、間一髪障壁やらなんやらを駆使して救出した。

 服が溶けるまではいいけど、骨まで溶けるのなんか見たくないってば!




「やりましたわ! 亡くなった方々の仇、見事にとれました!」

 スライムに止めをさせたことで満足げなプリンちゃん。

 彼女はいたってまじめだったんでしょう。

 故郷を襲う災害、それに対し何かできないかと必死に。


 ……その結果が『えーい』て。

 まぁ、彼女は戦闘経験がほとんどないからしょうがない。


「……あのまま私がとどめを刺す流れ……」

「しょうがないんだ、うん」

「ま、まぁ! クリスの頑張りがあってこそだよっ!」

「その通りですわ! クリスさん、ありがとうございますですわぁっ!」


 そしてみんなの健闘を称えるかのような音が鳴り響く。




 ティロンティロンティロン♪

 ≪ランク5のスライム種、個体名クァアが討伐されました。討伐者はプディング・ォン・カプチーノ。おめでとうございます≫




 なにそれまずそう。


「失礼な! わたくしの姓はもうカプチーノじゃありませんのに!」

 せっかく家族になったんだから同じ姓をつけたいよねー!

 まだ決まってないのかって? ……誰も譲らないんだ、これが。

 

「それよりっ! さっきのクリスを助けたとこ! 私知ってるよ!」

 興奮した様子でリルちゃんが喋りだす。また本で見たやつでしょ?


「ピンチから颯爽と救出されたお姫様が好きになっちゃうって話っ!」

 ほらねってクリスに限ってそれはないから!

 てかリルちゃんが読んでた本ってそういうの多くない?


「そんなんで惚れるかっ!」

 呆けていたクリスも一瞬で正気を取り戻し突っ込んでくる。


「そんなことより! ここにいたら誰か来るかもしれない、急ぎ移動するぞ!」

 良かった、いつもの凛々しいクリスだ。




「(さっきのリルちゃんの話だけど……)」

 移動を始めた時、女神っく通信が入る。

 お姫様がピンチで助けて貰うような本ばっかりってやつ?


「(うん。やっぱりリルちゃんも誰かに助けて欲しかったからじゃないかなぁ?)」

「(……そっか)」

 しばらくお姫様って呼んであげよう。


「(それは違うと思う)」







「(あいつは弟! あいつは弟! 私は姉! くそっリルがあんなこと言うから……!)」

「(? 弟? お姉ちゃん?)」

「なっ! 何でも、ない……」

「(弟……お姉ちゃん……)」


 ソフィたんと念話で話していたため、2人のぼそぼそ喋る声は聞こえなかった。




 ◆◇◆◇ 




「おかしい、何も起こらなかった!」

 何事もなく数日が経過。

 俺の予想では討伐後すぐに、糸目かオリジン種が出てくる予定だったのに!


 くそぉ……これじゃクリスに出番を譲った意味がない。

 完全に俺のランク5へのフラグだったじゃない!


「まぁまぁ♪ 何もなくって良かったじゃない?」

「ん。お姉ちゃんが慰めてあげる」


「え? あ、うん。ありがとうお姉ちゃん?」

「よしよし」

 変わったことと言えば、あれから急にディちゃんが『私がお姉ちゃんになってあげる!』と言い出した。


 何でか聞いても答えてくれないし。

 最近ちょこちょこ隠し事が増えてきて少し寂しい。まぁこれも成長なんでしょうか。


 ディちゃんを膝に乗せ、頭をよしよしする。

 俺が慰められているはずなのに、これがディちゃんなりの慰め方らしい。

 まぁ確かに元気になるわ!


「ディちゃん、弟が欲しいの?」


「「「!!!」」」

「主が弟だから……いい」

 他の3人が何やら驚いているが、今はそっちより、ディちゃんの謎の行動が気になる。

 

「その弟って何? どっちかって言うとお兄ちゃんじゃない?」

「弟。弟でいいの」

 ディちゃんの考えてることが全然わからん!


 まぁ……でもいっか、好きにさせてあげよう。

 頭をなでなで、しっぽもなでなでしながらそう思うのでした。

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