表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/111

第6話 気まずいこともしれっと言っとけば何とかなる


「さて☆ これからどうするんだいっ☆」

「メンシュライヒに向かうよ。お嫁さんの故郷が大変だからね。みんなもそれでいい?」

「もっちろん♪」

「っふ、遂に修行の成果を見せるときが来たようだ」

 クリスさんや、スライムに剣は相性悪そうだけど大丈夫かや?


「みなさん……」

「そうと決まれば早速準備しましょっ!」




「それじゃあボクはいったんここでお別れとする☆」

「おう、またな!」


「……あっさり過ぎやしないかい? ボクがどんだけキミらの為に……まぁいいや☆」

 実際凄く感謝はしてるんだけど、正直になったら負けな気がする。まぁこの気持ちも読まれてるんだろうけど。


「ふふ、素直になれないお年頃だものね☆」

「うるせー!」

 

「でも本当にありがとうね、お婆ちゃん! おかげでみんな強くなれたよっ!」

 

 リルちゃんを始め、みんなで挨拶をする。

 まぁ、命の恩人レベルなんだけどね実際。


「いいってことよ☆ 可愛い子孫とその旦那さんと家族の為だ、いくらでも頑張れるってもんさ☆」

「お婆ちゃんはこれからどうするのっ?」


「ボクはこの金髪君をしばらく見守るよ、何だかほっとけないしね☆ ついでに混乱中のお姉さんも引き取るよ☆」

「ぼ、僕かっ!? キミが只者じゃないのはわかってるが……いいのかい?」

 あ、金髪いたの忘れてた。


「あー痴女婆さんは正直扱いに困ってたら助かるです」

「いいよ☆ さぁ金髪クン。後は強くなるだけだ! ……あーそういえば言っとかなきゃいけないことがあったんだ」

 何でもないようなことと言うようにさらっと続ける。


「ディよ。ボクはキミより体は小さいがちゃんと子どもを産めた。キミもいずれ何とかなるから心配すんな☆」

 何言ってんだこのどエロリィは……。

 ちゃんと俺は大人になるまで待つつもりですけど?


「? お前はチビチ・ビィってこと?」

 ディちゃんも全く意味がわからんようで、そんなこと言ってる。


「ご主人と一緒で失礼な奴だな! まぁいずれ意味がわかるときが来るよ☆」

「主と一緒!」

 しっぽふりふり、おめめキラキラ。似ていると言われて喜んでくれるのは嬉しい。


「だけど同じで良いの? 俺と一緒なら、ディちゃんの言う悪になっちゃうよ?」

 冗談めかして言う。


「良いの。主のは、悪だけど……悪じゃない」

 て、照れてる! ディちゃんが照れてる! かわわわ!


「ふむ、まぁいいや☆ 次に会うときにはその意味も分かるだろう。それじゃあの☆」




 そう言ってロリ婆、まぁ俺たちの恩人は金髪と痴女婆さんを連れて去っていった。


「行っちゃったね……」

 最後まで何か含みを持たす婆だったな。


「よし、俺たちも行こうか!」




 ◆◇◆◇




「こ、これは……」

 数日かけて、金髪から聞いていた場所に到着した俺たちが見たものは……。


「……何もない、ね」

 そう、ランク5スライムがいたであろう場所には草木一本残らず、何もなかった。


「グラトニースライム……暴食……」

「そんな……国民のみなさんは無事ですの……?」

 悲痛な顔をして呟くプリンちゃん。


「祈ろう……そして一刻も早く倒そう!」

「そうね! プリンちゃんのお父さん、王様たちも危ないし!」

「あ、それは別にどうでも……元からさして情などありませんし」

 割とドライな王宮生活……まぁ常に命の危険と隣り合わせですもんね。


「まぁ、王都には爺やがいるかも知れませんしね……会うつもりはありませんが」

「え、会わないの?」

 俺は会いたいけどなーロベルト! 感謝も伝えたい!


「私はそもそも逃亡した身ですし……それに今生の別れも済ませましたし……」

 まぁ確かに若干恥ずかしいのは否めない。

 ふむ。 まぁいつか会えるだろう! 彼は生きているんだ!


「それより急ぎましょう! これ以上犠牲が増える前にっ!」







 そこから少し離れた場所にそいつはいた。

 まだ少し距離があるにもかかわらず見上げるほど大きい。

 

 既に防衛戦力は撤退したのか姿は見えない。

 

「よし、ここは俺が!」

「いや私が!」

 だからクリスよ、剣で切れるんか?


「いやいや、どう考えても俺の出番でしょ!」

 スライムの吸収能力と俺の貪り合い!


「いやいや、どう考えてもこの巨体でスライム、一見不利な私が敵を圧倒する場面!」

「いやいや……」




「えーい!」

 クリスと言い合ってる中、不意に気の抜けるような、いや高貴さを感じさせる声が……え?


「キャー! こっち気付きましたわっ!」

「えっ! ちょっ、まっ! お姫様っ! 何してんのぉっ!?」

 スライムに小石を放り投げ……どことなく楽しそうにキャーキャー言ってるいと貴きお方……。


「何って……つい?」

「つ、ついって……」

 そう言えば、護衛任務のときも似たようなことやらかしてましたね……。


「来るわよっ!」

 

 俺らに気付いたスライムが体を触手のように伸ばし、叩きつけてくる!


「ぬおお! 『勇者に栄光あれ(ゴブリックグローリー)』!」

 必死に障壁を張るが、物理的な威力が強い!


「き、きっつぅ!」

「ふはは、ここは私に任せてお前はそこでみんなを守っているがいい!」

 そう言ってクリスが飛び出す!


 待て! それ絶対負けるやつ! 服ドロドロに溶かされて色々と負けちゃうやつ!

 がんばえースライムー!


 ぽかっ。

 いてっ。


「くらえっ! 桜花流一閃裂き!」

 クリスの剣がスライムの触手を切断する!

 ……が、たちまちくっついてしまう。


「……」

「……」

 すたすたと俺の防壁圏内に戻ってくるクリス。




「……ふぅ」

「え、終わり!?」


「いや冗談だ」

「はよ行けっ!」


 そんな話の途中でもスライムの触手攻撃は止まらない!

 さすがはランク5、今までの敵とは段違いだ!


「そこで見ているがいいっ! 私の勇姿を!」

 さっきと似たようなことを言って飛び出していく。

 

「問題はクリスの服がドロドロに溶かされた後どのように助けるかだが……」

「どう見ても服だけでは済まなそうですわよ?」

「骨とか色々浮いてるわね……」

 ほ、本当だ! よく見たらスライムの体内に色んな未消化のものが浮いてる!


「……ク、クリスーっ! 戻ってこーい!」

「ふん。一度でダメなら何度でも切りつけるまでよっ! オラオラオラーっ!」

 

 とても脳筋なことを言い放ち、スライムを切り刻み始める。

 クリスが剣をめちゃくちゃに振りながらスライムを抉って行ってる!




「キュイー!」

 スライムの悲鳴らしき甲高い声が響き渡る。

 おぉ、いいぞ! 何だか行けそうな気がするっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ