第5話 ステータス測定ってわくわくするよね
「ゴーブゴブゴブ……」
ソフィたんが寝ながら話してくれたことに涙が止まらない……。
いや、まぁほとんど寝てて意識が流れ込んだって感じだったけど。
家族を殺されて辛いだろうなぁ、うぅぅ……。
しかし、ご両親の懸念はその通りだと思いました。
危機感がないとか、人を信用しすぎとか。
よくこの状況で寝られますね……。
よし、ソフィたんに救われたも同然のこの命!
守ってくれた家族の分まで燃やしていくぜっ!
クリスさんも探そうね!
◆◇◆◇
「シュナさん、おはよぉ~」
「ンゴッ! ……ゴブッ!(うわっ! ……おはようございますっ!)」
びっくりした、天使かと思った。寝起きのソフィたんもかわいいなぁ。
すごいぞ、えらいぞ、ゴブリック・アイアン・ハート!
ん? 何か忘れているような。
「もぅ! 今日はギルドでステータスとか調べてクエストにいくんだから、準備してっ!」
怒った顔もかわ……じゃなかった、思い出してしまった。
あのぉ~ソフィア様? と声を出さずに念じてみる。
「なぁに?」
やっぱり……いつからだろう……俺の考えてることが伝わってる……。
「あ! うふふ♪ 気づいちゃった~?」
おぅふ……それじゃさっきのも、それどころか昨日のあれやこれやも……。
「もぅ! そうよ! 恥ずかしいんだから、あまり変なこと考えないでよ~!」
真っ赤になって恥ずかしがるソフィたん、いやソフィア様。
きっと赤ゴブリンとなった俺とおそろいだ。
俺と違って赤ソフィア様はかわいいが。
ポカッ。
「ゴブ!(いてっ!)」
しまいには軽くたたかれた。ごめんよ、もうどうしていいかわからんのです。
◆◇◆◇
「いつからって言われると多分最初からかな~?」
ギルドへの道中、改めて聞いてみた。そっかぁ最初っからかぁ。
そういえば昨日宿屋での会話、俺ほとんどしゃべってなかったなぁ……。
「ギルドの職員さんにもその辺の話聞いてたんだよ~」
あぁ、別室行ってた時かな?
「その後は、いつ気付くかなぁっておもしろくなっちゃって~♪」
悪戯っ子のような、だけど温かく眩しい笑顔。
そんな、太陽のような優しさに包まれたなら……細かいことはもういっか!
「もぅ! うふふ」
「ゴブ、ゴブゴブゴブッブ?(あれ、でもソフィア様の思考は俺には流れてこないようですが?)」
昨日寝るときの思考は伝わってきたけど。
「テイマー側は意識することで思考を伝えないようにできるんだって~。って、えぇ!? 嘘~!」
「ゴブゴブ(ほんとほんと)」
多分寝そうになって遮断する気持ちが薄くなっちゃったのかな?
「やだー恥ずかしい! 変なこと考えてなかった!?」
「ゴブゴブ!(全然大丈夫でしたよ!)」
ただ、ソフィたんがあまり人に話したくないであろう、過去のことは知ってしまった。
「……そっかぁ~」
お詫びに、粉骨砕身ソフィア様に尽くしていく所存であります!
「……うふふ。ありがとっ」
◆◇◆◇
「すみませ~ん、ステータス測定をしたいのですが~」
そうしてギルドに着き、ステータスを測る魔道具と部屋を借りる。
ステータスを他人に見られないようにする配慮なんだとか。
「この魔道具に魔力を流すみたいだよ~?」
おぉ、いよいよかっ! 俺の強すぎる魔力に道具が耐えられずに爆発するんでしょ!
物語の主人公みたいに! 物語の主人公みたいに!
「ふふ、シュナさん落ち着いて~」
くらえっ! ゴブリックパワー、全っ開っ!
スンッ
……2倍だぁっ!
スンッ
…………3倍だぁっ!!
スンッ
……………………10倍だぁっ!!!
チョロッ。
で、でたぁっ! やー気合で何とかなるもんですなっ。
魔力とか魔法とか使ったことないし。
さてさて結果は……。
【個体名】シュナイダー
【種族】ゴブリン (ゴブリン)
この世で最も弱い魔物の1つ。世の女性の敵。
見るものに不快感を与えずにはいられない存在。
意外と生命力は高いので注意が必要だ。
【能力値】
レベル:3
H P:70
M P:1
体 力:75
魔 力:3
知 力:30
精 神:300
【適正属性】
火魔法:0 水魔法:0 風魔法:0
地魔法:0 生命魔法:0
【スキル】
なし
【称号】
ソフィアの従魔
お、おう。どうなんだこの能力?
「えっと~……説明書きによると、一般的なヒト族の能力が100で~。」
まじ?
「ゴブリンは60前後が多いみたい。」
え、俺一般的なゴブリンより知能低いの? うそでしょ?
「シュナさんの能力値は……体力が高めで……精神がすごく高いね!」
うん、精神が高いのには心当たりがある。
「それと……すごい! 魔法は全部適正あるみたい!」
え、そうなの? 0ってなってるけど……。
「適性がないと表示されないんだよっ! 本当にすごいよっ!」
まるで自分のことのように喜んでくれている。
うぇへへ、思ったより弱そうで落ち込みかけたけど元気出た!
「MPと魔力がまだまだだから、そこを練習すればきっとすっごいゴブリンさんになれるよ!」
うぉー! やる気でてきたぜぇっ!
「ゴブ、ゴブゴブ?(そうだ、ソフィアさんも測ったらどうです?)」
「あ~、私は前測ろうとして魔道具が爆発しちゃったから……」
あっ。
この物語の主人公はあなた様でしたか。




