表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/111

第5話 実際にロマンチックにするのは至難の業

 逃走劇からしばらくし、フィルストの町に戻ってきた俺たち。

 すっかりここが拠点になっている気がする。

 例のお花の子、アリスちゃんとディちゃんが割と仲良くなってよく一緒に遊んだりしている。


 そんなある日。



「むむむ……」

「どうしたの~?」

 ソフィたんだ。今日も麗しい。

 

「いやね、プリンちゃんのことなんだけどさ~」

「プディングちゃん?」


「その、ね。ちゃんとしてないじゃん?」

「何を~?」


「プ、プロポーズ的な?」

「あ~、えっ? あーうん」

 歯切れ悪っ! まぁ、恋人にする話じゃないよね。


「えーまぁ……そうだよ!」




「むむむ……」

「あら、どうしたの?」

 リルちゃんだ。今日も美しい。


「実はね……」

 カクカクシカジカ。




「むむむ……」

「主、どうした?」

 ディちゃんだ。今日もかわいい。


「実はね……」

 カクカクシカジカ。




「むむむ……」

「あら、どうしたんですの?」

 プリンちゃんだ。今日も素敵だ。


「実は……」


 ……ん?


「ちょっと待ってっ! それはダメでしょ!」

「まぁ……それは素敵ですわね~……」

 あぁ~、遅かったか……。

 

「けれど、ピンチから颯爽と現れて攫って行くのもよかったですわよね!」

 まぁそうかもだけどさ。ちゃんと言いたいじゃん?


「そういえば、逃げてるとき身に着けていたものが……」

 そう言って荷物を取ってくる。そこで広げたものは……!


「す、すっご~い!」

「立派な宝石ねぇ~。これなんて、売ったらいくらになるのかしら?」

 握り拳大の宝石を手に取り眺めている。


「さぁ? 一応嫁入りの出立式でしたのでそこそこ豪華でしたわね」

 こ、これでそこそこ!? ちくしょう、ハードル上げてくれるじゃないか……。



「さして思い入れのあるものではありませんし、パーティの共有財産としていざというときにお使いくださいな」

「えっ! いいのっ!?」

 ソフィたんが目の色を変える。こんだけあればたらふく食ったおつりで家が買えるもんね。


「失礼なっ! 食べるだけじゃないですよ~だっ!」

「さ、さすがにそれは……」


「プリンちゃんまで! ひどいよっ!」


 


 まぁ、それはともかく。ご本人のお金でプレゼントを買うにもいかんしなぁ~。




 ◆◇◆◇



 そんなことを考えて1週間、良い答えが浮かびません!

 色々見て回ったりしたけどらちが明かないので久しぶりにダンジョンを攻略中です。


「はぁはぁ、も、もしかしてわたくし、かなり足手まといかしら?」

「戦闘でって意味では確かにそうね」


「や、やっぱり……。でも一緒に行きたいんですの……」

「別に、戦闘で足手まといだから来るななんて言ってないわよ」

「そうだよ~♪ 一緒に冒険楽しいねっ!」


「はいっ! ありがとうございますわ!」

 

 プリンちゃんは戦闘面のスキルが皆無でした。

 適正もほぼ無し。逆に凄いと思う。


 そんな彼女をサポートできる何か魔道具的なものが欲しいね!

 魔道具……魔道具か!


「魔道具ってどうやって作るか知ってる?」

「さぁ……専用の職人がいるとは聞いたことがありますが」

「ギルドの人に聞いてみる?」


 ダンジョン探索の後、素材売却のついでに聞いてみることに。


「魔道具ですか? 詳しいことは職人さんに聞いてみなければわかりませんが、それでよろしければお答えします」

 職員さんに、改めて基本的なことを含めて聞いた話を要約すると、こんな感じ。


 1、魔法陣を道具に刻み、そこに魔力を流すことで使用する。

 2、電池のように魔石を用いることで常に発動させることも可能。

 3、魔石、魔道具ともに使うたびに劣化していく。特に魔石は消耗が早い。

 4、強い念を込めれば魔石そのものを魔道具化させることも可能ではある。

 5、その場合、出力が魔石のサイズに直接関係し、ほぼ使い捨てとなる。コスパは悪い。


 ということでした。相変わらずめっちゃ詳しい。


「魔石! 魔石が魔道具になるのっ!?」

 これだ! 俺の魔法を魔石に込めて贈ろう!


「えぇ。コストに見合わない運用しかできないため誰も使っていませんが、可能です」

 コストなどどうでもいいわ! 一世一代のイベントだぞ!




 ということで、続いて魔道具職人さんのお宅にお邪魔しました。


「帰れっ!」


 追い出されました。しかし今日の俺はゴブリンらしく執拗に攻めます。


「そこを何とか!」

「帰れっ! そんな簡単に商売道具の秘密を話してたまるかっ!」

 そりゃそうだ。こうなったら、と情に訴えてみる。


「お願いです! 好きな子に自作の魔道具をプレゼントしてプロポーズしたいんです!」

「帰れっ! そんなもの、最初に魔道具であることを定義する文字を刻んで、込めたい魔法を文字で刻んだものでも渡してろっ!」


「親方っ! ありがとう!」

「いいから帰れっ! 文字は魔力を込めて刻むんだぞ!」

 いい人かっ! 


 ただで帰るのは忍びないので、ほんのり温かくなるフライパン的な魔道具を購入して帰る。これで金貨1枚て……。




 しかし、文字かぁ……。

 ソフィたんに言葉を教えてもらい、会話は問題なくできてきたが文字はなかなか覚えられないんだよなぁ。


 ……しかしもしかして、と思い魔力が空っぽの魔石に文字を込めてみる。前世の記憶にある文字で。


「ぐぬぬ、ぐぬぬぬぬ」

 これは魔道具です『小回復』これは魔道具です『小回復』これは魔道具です『小回復』……。

 

 魔石が満たされたのを感じ、試してみると……!

 

 ぽわっ。


「おぉっ!」


 どうやらうまく行ったようだ!

 これで目標は決まったぜ! 魔石に『範囲盾』を込めてプレゼントだ!

 

 しかし、これはかなり便利だなぁ。

 確かに魔力は通常時よりかなり使う、『小回復』ですら俺の場合はHPまで消費しているが、何であまり使われないんだ?


 そんなことを思いながらも、みんなにダンジョンボス周回をしたいことを話しに行くのだった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ