幕間 ゴブリンといつかの話
新章の始まりです。
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その日もたくさん働いた。
たった1人の家族、大事な妹を養うため。
俺が中学生の頃、両親が法事で田舎に帰省するとき事故を起こしてしまったそうだ。
家にいた俺と妹は、警察からの電話でそれを知った。
よくある話だ。よくある……悲劇。
泣きじゃくる妹を抱きしめ、安心させるように言う。
「大丈夫、大丈夫だよ。舞は俺が守るから」
今思えば、もっと他の選択肢があったかも知れない。
しかし保護者代理となってくれた叔父家族は冷たく、何もしてくれない。
俺たちは、名義だけ叔父に借り2人で生活していくことを選んだ。
その後はがむしゃらに、頭の良くない俺はとにかく働いた。
働いて働いて……何とか苦難を乗り越え。
ようやく妹が高校に進学することが決まったのだ。
さすが俺の妹、何と授業料等々ほとんどお金がかからない何とか特待生ってやつらしい。
俺に似ずに頭が良かったようで良かった。
ある日の仕事終わり。
進学のお祝いをしようと、少ない給料から俺にとっては精一杯高価なネックレスを手に帰路についていた。
そして……一瞬体に電流が走ったように感じた後、俺は倒れていた。
朦朧とする中、考えていたのは舞の事。
もう妹のことを見守れないのか……悔しさとともに意識が真っ暗に染まっていった――。




