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第3話 冒険者ギルドにて

 そうしてたどり着いた冒険者ギルド。ここでもまた――。

「ゴ、ゴブリン!? 何で魔物がここに!?」

 受付の方にビビられた。あっるぇ~? テイム魔法があるなら魔物がいても別におかしくはないんじゃ……?

 もしかしてあれか? ゴブリンをテイムする奴なんかいない的な?

 それとも……。


「だ、大丈夫ですよぉ!この方は安全なゴブリンさんです! 言葉も理解してくれてますし!」

 ここで先程の門番さんと同じようなやり取りをする。ども! ゴブリン=サンです!


「ちょ、ちょっと待っててください、ギルマスを呼んできますので……」

 でた! 規格外のことしてギルドマスターを呼ばれちゃうやつ! まいったなぁー、また俺なんかやっちゃいましたぁ?




 そうして受付嬢さんがマスターを呼んできて事情を説明。

 ギルマスっていうから強面の元冒険者のような方かと思いきや、人のよさそうなぽっちゃりおじさんだ。


「た、確かにテイム魔法で動物と意思疎通をできますが……魔物をテイムできるなんて聞いたことがないですね。ましてやゴブリンなんて」

 ちょ、なんて、とか言うのやめてくれる!? 俺かて好きでゴブリンになったんじゃないやい!

 てか、やっぱり魔物ってテイムできないの!? 俺、やばくない? 殺されちゃうんじゃ!?


「だ、大丈夫ですよ! 実際意思疎通できますし、私の天才的なテイム魔法が炸裂しちゃったとか~!」

 ソフィたんが擁護してくれてる。ありがとねやさしいね。

 でも炸裂はさせないでね危ないから。


「で、ではいくつか命令してくれますか? 危なくないことで……」


 ◆◇◆◇


 それからいくつか簡単な命令をこなしていく。よかった、服を脱げとかじゃなくて。

 まぁ、俺今ほぼ裸に外套なんだけど。全裸よりやばくね?

 しかし『ただのぬのきれ』ってこうやって装備するんだなぁ……。


「うむむ……確かに言うことを聞いていますなぁ。本当に魔物をテイムできているのか? ましてやゴブリンなんかを」

 またゴブリンディス。まぁ、確かに、ゴブリンだしな!


「あのぉ~……魔物ってテイムできないんですかぁ~?」

「え、えぇ。私もあまり詳しくはないのですが……テイム魔法とは、人間が対象の動物に魔力の塊を植え付け、それを基にパスを繋げ使役する、と言われておりますな」

 いやめっちゃ詳しいじゃん。


「魔物はマナによる汚染の結果、理性が無く狂暴化している存在ですのでテイムは不可能とされています」

 んー、ってことは自分は人間の頃の記憶があって狂暴化していないからテイムできたってこと?

 ってかソフィたんの魔力の塊、自分の中にあるの!? ちょっとドキドキする!


「な、なるほど~。ちなみに人間が魔物化したり、以前の記憶を持っていたりとかあるんですか~?」

「人間が魔物化したら魔人になると言われていて、とても危険な存在です! ……まさかそのゴブリンが?」


「あぁ、いえ、何となく意思疎通が簡単なのでもしかしたらと思って~」

「まぁ、ヒト属が魔物化して低俗なゴブリンになるとは考えられませんね」


 低俗て! ってかもしかしてゴブリンをテイムしてもうま味ない? それどころかマイナスじゃ?

 俺はソフィたんに償いもかねて何かしたいって思ってるけど、大人しく去ったほうがいいのか?

 

「そうですか。聞きたいことは聞けました。ありがとうございます。ではこれで失礼します」

 心なしかソフィたんの言葉にトゲがある。まさか俺のために怒ってくれてる?

 ……それとも早く野に放ちたいのかな。


「お待ちください。処分するのであればここでしていかれては?」

「いえ、このまま彼をテイムして冒険者活動をしていきたいと思います」

 ソ、ソフィたん……! 一生ついて行くでやんす!


「なんと奇特な……まぁいいでしょう。では私はこれで失礼しますよ」

 そうして後のことは受付嬢さんに引き継がれ、従魔登録の手続きを進めていくことになった。

 まぁ……無理矢理殺されなかっただけましかな?

 

「このゴブリンの名前は何ですか」

 名前とか、その辺りのこと思い出せないんだよなぁ~。


「シュナイダー! 今日からあなたの名前はシュナイダーです!」

 いやに早く名前が決まった。考えてたのかな?

 シュナイダーってゴブリンには仰々しくない?

 でも、なんかこう……すごく、くすぐったい気持ち。何だろう。


「ぶふぅっっっ!!!」

 受付嬢さんが盛大に吹く。いいじゃん! かっこいい名前じゃん! あ、ゴブリンだからか……。


「何か?」

「し、失礼しました。それでは次に……」

 ギロりとソフィたんが受付嬢さんを睨む。怒らなくていいよソフィたん、俺は今、幸せです。




 ティロン♪

 ≪従僕契約により名付けが行われました。これによりヒト属用プログラムの適用が可能です≫

 おわっ! いきなりなんだ?


 ≪適用を希望される場合は10秒以内に肯定の意を示してください≫

 んんん? よくわからんが、人になれるのか!? ならば、答えはYESだぁっ!


 ≪肯定の意を確認。これよりプログラムに沿ったガイドを開始します≫

 おぉ!……ってすぐ人になれるわけではないのか。

 

 てかなんだこれ? ガイドって何? 教えて、ガイドさんっ!

 ……反応なし。まじでなんなん? ダメだ、全然わからん……。

 



 考えることを諦め、意識を目の前に向けなおすと登録作業が終わるところだった。


「登録はこれにて完了です。お疲れさまでした」

「ありがとうございました~」

「最後に、従僕を示す首輪をつけますので無くさないようにようにしてください。付けてないと殺されても文句は言えませんので」

 こわっ。まぁそりゃそうか。他の魔物と見分けつかないと、危ない存在だと思われるよね。




 こうしてテイマー登録が終わった。俺は晴れて正式にソフィたんの従魔となった。

 ゴブリンってやっぱりこの世界でも嫌われている生き物のようで、散々な言われようだ。

 なんだかよくわからないこともいろいろある。

 けれどソフィたんは、そんな俺でも一緒にいてくれると言ってくれて……。


 ありがとうソフィたん!

 ソフィたんのためなら何でもできる!

 ゴブリンなんか従魔にしてとか言われないように、絶対に後悔させないように!

 

 これからよろしくね!

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