第10話 1人じゃできないことも力を合わせれば
攻撃力の低い俺が殴ってもダメージがあまり入らない。
ソフィたん、俺が頑張って防ぐから他の人に攻撃を任せます!
「彼が攻撃を受けるので攻撃をお願いします!」
「――ッ! わかった! 行くぞみんな!」
「えぇぃっ! わかったよこんちくしょう!」
「わ、わかったわ! 私は魔力を溜めてでかいの打つ!」
「……(コクッ)」
あ、糸目の兄ちゃんいたんだ。
「グギャオオオオオオッ!」
ドラゴンは下等種も下等種の俺に殴られたのが琴線に触れたか大層ご立腹な様子!
いいぞ、さらに『挑発』で俺に釘付けとなれっ!
ブオンッ!
まともに当たれば一瞬でこの世とおさらばな攻撃!
ここだ!
そう、新技を考えていたのはソフィたんだけではない!
攻撃力に欠ける俺、それでも大事な人を守りたいって気持ちが強かったのだろう。
身に纏った魔力をシールドのようなものに変換することができたのだ!
「ホブゥァァアアアッ!(『忍耐の勇者』!)」
魔力をシールドに変換、同時に身体強化やソフィたんのバフがかかる!
ガキン!
「グオオオオオ!?」
まさか正面から止められるとは思っていなかっただろう!
攻撃が弾かれ、隙ができる!
「くらえぃ、『超破壊拳』っ!」
ガチムチが小型ミサイル並みの威力がありそうなパンチを繰り出す!
もちろん嘘だがいい感じにくらった!
「『美麗一閃突き』! からの『華麗連続切り』!」
金髪も技名はともかくドラゴンを切りつける。
「――ッ!」
糸目も背後から何かを投げたりしている。
これはあまり意味がなさそうだ。
「ガァァァァッ!」
「いいぞ、ダメージは入っている!」
「おい、そこの! そのまま頼むぜぇっ!」
「……!」
ガチムチに言われるまでもなくタンクに徹するというか気を抜くとマジでお陀仏だ!
「グルァァァァアッ!!」
ドラゴンがその爪を何度も振るってくるが、大振りなおかげで何とか回避できる。
気の遠くなるような時間そうやって攻撃を受け続ける。
実際は数分ってとこだが……。
ガキンっ!
「ブッ!(あっぶね!)」
「オルァ! 『超破壊拳』もういっちょ『超破壊拳』!」
「いけるっいけるぞ! このままなら勝てるっ!」
おいやめろ! それはフラグ――ッ!
「グゥゥゥ……」
その時、ドラゴンの口から炎が漏れだした!
嘘だろ、後ろにはソフィたんと気の強い姉ちゃん……!
「ガァアアアアア!!!」
瞬間、その口から炎が噴き出した!
――後ろに通してたまるか!
「ブゥウウウアアアアッ!」
そして炎を身を受け、吹っ飛びながら火だるまになる。
「シュナさん! いやあっ!」
……あっづい、体が……燃えっ……。
「おっおい――お、おまえっ!」
「『小回復』っ!『小回復』っ!」
ぐぅぅ、体が破壊と再生を繰り替えしていく……!
「カハッ、ハァハァ……!」
何とか回復が間に合ったようだ。
「うっうぅ、ジュナざんんん~!」
ソフィたんの火属性バフのおかげで助かった……。
「ぐはっ!」
顔を上げると金髪が吹っ飛んでいるところだった。
ガチムチは既に離れたところで横たわっている。
「もう少し、もう少しで上級の魔法打てるから! 何とか耐えなさい!」
気の強い姉ちゃんが魔力を練り続けている。
よし、耐えるだけなら――。
「グゥゥゥウウウ……」
うっ嘘だろ、ドラゴンがまた炎を吐こうとしている……っ!
しかも、今度は確実に殺すためにチャージしているのか溜めが長い!
「シュ、シュナさん……」
見るとソフィたんが不安そうな顔をしている。
……大丈夫! 大丈夫大丈夫!
ソフィたんも守る。ソフィたんが守りたいものも守る。
両方やらなくっちゃあならないってのが……従魔のプライドだ!
覚悟はとうにできているッ!!!
「ガァァァアアアアアッッ!!!」
先程よりも勢いの強い炎が飛んでくるっ!
「ホブゥッ!(『忍耐の勇者』!)」
ドオオオオオォォーンッ!!!
ぐぅぅぅううううううっ!
耐えろっ耐えるんだっ! 後ろにはソフィたんがっ!
「ガァァァッ!」
ドラゴンもさらに力を込めてくる!
まずいっシールドだけじゃ範囲がっ!
「ゴブブブッ……ブァァアアアッ!!!(『勇者に……栄光あれ』!!!)」
魔力をさらに広範囲に、それらをシールド化っ!
メキッ……メキメキィッ!
シールドがっ! 魔力を込め続けろっ!
ぅおおおおおーーーっ!!!
ティロン♪
≪存在進化の条件を満たしました。これより実行します。≫
え、いまぁ? シールド大丈夫っ!?
ボキボキグチャボキィッ!
――――ッッ! シ、シールドだけは……!
ボワッ!
そして一瞬の閃光が迸り、進化が完了するっ!
「…………」
こっこれは――。
「シュ、シュナさん!」
「グルアァァッ!」
閃光に怯み炎のブレスを中断してしまったドラゴンが爪を振り下ろすが――。
「……ッ!」
瞬時に具現化した盾で難なく受け止める。
「グォッ……」
これにはドラゴンも流石にビビったようだ。
「……ッ!」
そのまま盾で吹っ飛ばすようにぶつかる。
「グギャァァアッ!」
相変わらず威力は小さいがドラゴンを吹っ飛ばすことに成功する!
「いくわよっ!」
そこに今まで魔力を溜めてた、いや魔道具に込めてた姉ちゃんの魔法がっ!
「くらいなさいっ!『アイシクル・ストーム』ッ!」
ドラゴンの足元から何本もの氷の槍が突き出る!
ついでに猛烈な吹雪が襲い掛かるっ!
「ギャァァアッ!」
氷の槍が体を貫き、吹雪が体を冷やしていく。
やがてドラゴンは完全に沈黙したのだった。




