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第1話 敢然と立ち向かう

最終章となります!


ブックマーク・評価等ありがとうございます!

引き続きよろしくお願いします!

「そういうわけで、ボクは先に神の城で待ってるよ☆」

「え!? 一緒に行くんじゃないの?」

 それとも、また裏でこそこそするのか?


「……オリジン種は専用の通り道があるからね☆」

「……俺らは?」


「正面からお越しください☆」

「えぇ……」


「ちなみに、神の城は天空城だよ☆ よく本にも乗ってるだろう☆」

 ま、まじか……。


「まぁ……当てはあるからいいけどさぁ……」




 ◆◇◆◇



 そんな話をしたのも数日前。

 我々は今、その天空城があるっぽい積乱雲の近くにいます。


「あそこに天空城が!」

「本当にあるのっ?」

「あるよ!」

 ラヒ〇ュタは本当にあるんだ!


「あるとして、どうやって行くつもりですの?」

「ふははははっ! これを見るがいいっ!」


「これは――っ! 何だ?」

「ダンジョンの精霊のお守り」


「そう! これをミステリアスな雰囲気の金髪の美人さんが吹けば、突然ドラゴンがやってきてあそこまで連れてってくれるのさ!」

「ぷっぷー!」

 意味がわからないって? 大丈夫、当時もそれについて特に説明はなかったから!


「全く意味は分からないけど、ミステリアスな金髪美女って言ったら……やっぱり私かなぁ♪」

「全く意味は分からないですけど、ミステリアスな金髪美女って言ったら……やはりわたくしですわね!」


「「……」」


「全く意味がわかりませんけど?」

「全く意味がわかりませんわね?」


「言い争うのもいいが……このお守りをどうやって吹くんだ?」

 そう、1番の問題はこのお守りはきれいな飾りがついているだけのただの鱗……楽器ではないってことだ。


「ん。ただの鱗」

「そういえば、ちょっと前までこんな形の葉っぱを笛みたいにして遊んでたわねっ」

 リルちゃんが前に言っていた『ちょっと前』は、確か30年くらい。

 ……当時も大人なん――。


 げしっ!

 いてっ!


「何も言ってない……」

「顔見ればわかるわよっ」


 ……リルちゃん好き好き可愛い愛してる。


「な、何よっそんな褒めたって……嬉しいだけなんだからっ!」

「すごっ! 本当にわかってるの!?」


「ピヨ~~~~……ぷっぷー!」

「「「「「ぁ」」」」」


 こらディちゃん! サキュに変なものあげちゃダメでしょ!

 じゃなくって……サキュがお守りを吹いたっ!




「ぷっぷぷー! ピヨ~~~~……ぷっぷーーーー!」

「すっごく……楽しそうだね」

「あのお守り、本当に吹けるんですの?」

「どうやってるんだ……? まず持てないはずだが……?」

「ディちゃん……何でサキュにやらせようとしたの……っ?」

「サキュが欲しそうに見てたから」


 楽しそうにしているサキュ。

 三者三葉の感想を言い合うみんな。


 今日も平和ですなー、そう思っていたら――。




「GWOOO! GWOOOOOOO!」

 来たっ! 本当に来てくれたっ! 俺は嘘つきじゃなかった!


「今だ! みんな飛び乗れっ!

 浮かれたテンションのまま飛び乗ろうとする俺。

 サッと避けるドラゴン。


「な、何でぇ~!?」

 ゴンっと音を立てて地面に激突……。


「きゃあっ!? ド、ドラゴン!?」

「だだだ大丈夫だ! わわわ私がつつついてててて」

「クリス、そんな震えなくても大丈夫。友達」

「ほ、本当に大丈夫ですの!?」


 ドラゴンが大きな口を開けて――!


「ぎゃあー食べられるぅーっ!」

「……私の名前はファルシオン。ダンジョンの精霊」

 自己紹介を……ん?


「ってあれ!? 精霊さん? あの時戦ったファルシオンは……」

「あれはかつての私を模倣した仮初の魔物。私じゃない方が良かった?」


「いやいや! びっくりしただけで……まさか精霊さんが来るとはって!」

「私のこともファルシオンって呼んで。別に、気が向いただけだよ。私があそこまでは連れて行ってあげる。けど、それ以上は手を貸さない。それは私の中のけじめ」


「わかった! 連れて行ってくれるだけで十分だよ! ありがとね!」

 本当に来てくれてだけでなく連れてってくれるなんて!


「……あなたは本当にわがまま。しょうがないなぁ」

「えっ? いや……」


「ほら、これも使えばいい」

「え、だから……って、何これ……?」


「空間拡張付きの袋。中のも出してみて」

「え、あ、うん」




「……こ、これは……!? あの時のぶっ壊れの剣!? それと……外套?」

「なんか道に落ちてたから、ついでに持ってきてあげた」


「す、凄いですわぁ……国宝すら霞むような……神器と言っても過言ではないですわね……」

 早速鑑定したプリンちゃん、驚きで声が出ないようだ。

 どれどれ、俺も……不壊、自動防御、全属性耐性、物理耐性、魔法耐性、自動修復などなど。

 まじかぁ……。


「……これ貰っていいの?」

「落ちてたから構わないよ。仮に創るにしても、私には造作もない程度のものだよ」

「あなた、彼女のMPがほとんどありません。HPも減っています」


「あなた、私が視えるの? 鑑定のレベルが高いのね」

「ふふーんですわ!」

「お花の観察で頑張ったものね!」


 そっかぁ……身を削って創ってくれたのか。

 どうして……いや、野暮なことは言わない約束だ。


「……ありがとう。創った人に恥じない戦いをするよ!」

「うん。私じゃないけどね――あいたたっ。……古傷が痛むー」

 古傷でMPまでは削れないと思います。


 相手は何千年と生きてる神だ。ありがたく活用していこう!




「……ねぇ、あなた。私たちと一緒に冒険しない? きっと楽しいよ!」

「あなたはソフィアね……考えとくよ」

 おぉ! 前向きに検討してくれるみたいだぞ!

 しかし俺が前誘おうとしたら怒ったくせに!


「(ごめんね……けどこの子、出会った時のリルちゃんと同じ目をしてたから……)」

 貰った外套を見るキラキラで綺麗なおめめ……をかつて曇らせていた寂しさ。


 きっと精霊さんにも色々な過去があるんだろう。

 手を貸してくれる理由はよくわからないが、しっかりお返ししていこう。


 空間拡張付きの袋にせっせと小石を詰め込むプリンちゃんを眺めながら、そう思うのでした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最!終!!章!?!? すっごい先が楽しみだけど寂しさも感じる…
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