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第10章 俺たちの戦いはこれからだ!

 ――???――


「――くそぉっ! まさか魔王まで倒してしまうとは……! これからどうすれば!?」

「もうお終いだよ」


「誰だ!? お、お前はロリロ! ちょうどいい、今から一緒に――」

「悪いが、1人で逝っとくれ☆」


 ポーン……。


「……は? ぎゃあああああ!」

 強烈な痛みが!

 さらに……俺の体が、意識が……離れて、いく……?




「っは!? ……何だ、戻った?」

 下を見ると、体がある。


「お前は絶対こうしてやると」


 ポーン……。


「ぐあぁあああっ!」

 再び襲う痛み!


「……何なんだ一体!?」

 しかし再び元に戻る!?


「2000年前から」


 ポーン……。


「やめろっ! やめてくれ!」

 何度も殺されては戻されている!?


「決めていた!」


 ポーン……。




「なぜふぁっ!?」

 ポーン。


「やめてく――」

 ポーン。


「痛い痛い痛い!」

 ポーン。


「ほんとにいたいんふぁっ!」

 ポーン。




「お前に未来など見せてやるもんか。永遠に死に続けるがいい☆」


「やめっ――やめてくれぇぇえええええええええーーーっ!」




 ◆◇◆◇




 翌日。

 ヒト属の国を、ヒトも亜人も関係なく復興作業をしている。

 戦いの影響で建物はかなり破損しているが、人々の顔には活気が漲っている。


「おはようございます! シュナ=サン様!」

 様子を見ようと町まで出かけたら、何人ものヒトや亜人の方々にそんな風に呼びかけられる。


「おはよう! 復興作業頑張ろう!」

「キャー! シュナ様に話しかけられちゃったぁっ! 妊娠しちゃうかもぉー!」

 えっ何それ、喜んでるの? ゴブリックジョークってやつ?


「に、妊娠はしないと思うけど……」

「キャー! 『本当に妊娠させてやろうか?』ですってーっ! やだ……お股がっ」


「ちょっ生々しいこと言うのやめてくれない!?」


 ジトー。


「ほら! 俺奥さんいるから! 凄い目で見てくるから!」

「え~残念! またいつでも声かけてねっ!」


「……はぁい」


 ぽかっ!

 いてっ!


「いてててて。冗談だよ、ごめんって!」

「ふんだ!」




 なんてやり取りもあったり。

 亜人差別なんてどこへやら、みんな気軽に話しかけてくれる。


 しかし、1つだけ問題が……。


「シュナ=サンさん! こんにちは!」

「シュナ=サン様! 採れたての果物どうぞ!」

「シュナ=サンちゃま! これ、あげう!」


 気付いた時にはもう遅く、俺の名はシュナ=サンと言うことになってしまった……。

 ソフィたんに貰った大事な名前が……。


「おぅ! シュナ=サン! 調子はどうだ!」

「てめえのせいで最悪だクソ猫野郎!」

 全ての元凶であるタイグルリオンの大将、ライガと遭遇してしまった。


「いいじゃねぇか! みんな、お前のおかげで助かったって感謝してんだぜっ!」


 どうやら一般の方々の感じた絶望感は凄まじかったようで、冗談でもおふざけでもなく、あの進化の光が太陽のようにみんなに希望を照らした……らしい。


「そんな救国の英雄様にも一応報告しておこうと思ってな」

 昨日からついさっきまで、復興作業と並行して様々なことが話し合われたらしい。

 メンシュライヒでの亜人差別の撤廃及びヒト属と同等の権利を認めること。

 亜人の奴隷の開放及び、被害者への金銭的補償。

 メンシュライヒとタイグルリオンの対等な貿易。

 さらに友好の証として、ライガとメンシュライヒ第一王女であるショコラ姉様の婚約。


 この辺りを基本に、今後1年以内に平和的で平等的な条約の締結を目指していくんだと。

 王都もこんな惨状だし、亜人への金銭的補償は厳しいと思いきや……プディングちゃんが結婚させられそうになった例の貴族が全て払うんだって。

 なんか……実はめっちゃいい奴なんじゃ……?


「ショコラ姉様との婚約って……人質?」

「いや…………どうにも、本気で惚れられてしまったようで……本人に押し切られたよ」


「そうか良かったな。死ねよ」

「ひでぇっ! あぁ、それとプディング姫とお前の扱いも話し合われてたぞ。王国としては、本人達の好きにさせるってさ。お前も晴れて誘拐犯から英雄だしな!」


「お、そうなの? そりゃよかった!」

「まぁ……まだまだ困難は続くが……お前には本当に感謝してる。ありがとよ」


「ふんっ。別にお前のためって訳じゃないんだからねっ!」

「そのセリフ、男から言われても気持ち悪いな!」

 ほっとけ!

 



 ライガと別れた後も、ソフィたんと並んで歩く。


「シュナ様と女神様だ!」

「救国の英雄様だっ! 俺もあぁなりてぇなぁ~」

「本当……素敵な方々ねぇ……」


「いい加減、小っ恥ずかしいなぁ」

「まぁまぁ♪ 私は嬉しいな! シュナさんがヒト属に認められて♪」


「……そうだね」

 俺とソフィたんの物語は迫害から始まった。

 それが……国の英雄とまで言われ、ヒトに認められるようになったんだ……。


 隣にいるソフィたんを見る。




「……今まで、どんなときも側にいてくれて、ありがとう。これからもよろしくね!」

「ふふっ♪ こちらこそ、よろしくね♪」




 澄み渡る青空、輝く太陽。

 まるでこれからの未来が、希望に溢れてると言わんかのように温かく世界を照らすのだった――。










「まぁ、英雄から大悪人になるかもなんだけども」

「……やっぱり?」


 うん、許せないです。やつらは。


 婆の言葉を借りるなら、人間の可能性を摘み取る存在。

 俺としては、大切な人たちが人類に狙われるきっかけを作った存在。




「言ったでしょ。俺はみんなのためなら神をも屠れるって」


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