エルフへの共同戦線要請
「みんな、食事はおいしかった?」
時間が経ち食事が終えた頃にエリスがエルフたちに声をかけた。
「ああ、こんなおいしいのは久しぶりだ」
「おいしかったよ」
「魚料理なんて何年も食っていなかったしな」
「これと同じような料理を明日も食べたい?」
「もちろん」
「明日も食べれるのか?」
エルフたちは喜びの声をあげた。
「それには、条件があるの」
「それは何だ?」
エリスは息を吸い答えた。
「デスマーチの戦闘に参加してほしいの」
エリスが答えると一瞬静かになってから
「デスマーチだと?」
「おれたちは『ライト』なんだぞ」
「戦るはずがない」
エルフたちはエリスを責めるように叫んでいた。俺は前に出て
「君たちに前線に出てほしいわけじゃない。弓で援護してほしいんだ」
「弓だと・・・」
「ヒューマンのお前には知らないかもしれないが、ここにいるのは弓の才能がない者たちだ。15メートルも飛ばせないな」
「ティア」
「はい。お名前は?」
「・・・ヴォルフだ」
「ヴォルフ様、これを受け取ってください」
ティアはマジックボックス弓矢を出しヴォルフに差し出した。
「これであそこにある丸太に当ててみてください」
ティアが示した丸太はヴォルフから30メートルは離れていた。
「おい、ねーちゃん俺の話聞いていなかったのか?あそこまで30メートルはあるぞ」
「わかるのですね」
「ああ、測量はエルフは得意だからな。木を切ったり、家を作るったり、民芸品を作るのに必須だからな」
周りのエルフは頷いていた。
「騙されたと思ってやってみてください。もし、やってくだされば朝食を私が作ることをお約束します」
「・・・ほんとうだな?」
ヴォルフの目つきが変わった。
「はい。当てることができたら焼魚を提供しますよ」
「よし、やってやる」
ヴォルフはティアから弓矢を受け取った。
「今から、矢を放つから場所を空けてくれ」
俺がそう言うとエルフたちは丸太から離れていった。
「いくぞ」
ヴォルフは弓を引こうとしたが、途中で止まった。
「なんだ?この弓かなり重い・・・ぞ・・・」
「無理ならやめていいぞ」
「なめるなヒューマン。俺は毎日何十本の木を切り、それを運んでいるんだ。この程度楽勝・・・だぁ」
ヴォルフは引ききり、狙いを定めた。そして放った。
「なんだ、当たっていないじゃないか」
ヴォルフは丸太に自分が放った矢が刺さっていないことにがっがりしたが
「ヴォルフ、お前すごいじゃないか」
「えっ?」
思いがけない言葉にヴォルフは驚いた。
「ヴォルフ、お前の矢は30メートルどころじゃない50メートル先に飛んで行ったぞ」
「まじか?」
ヴォルフは松明を持って矢を探しに行き、遠くまで行き、戻ってきた。
「はぁ、はぁ、はぁ、どうなっているんだ?あんな遠くまで放てるなんて、あの弓はなんなんだ?マジックアイテムか?」
ヴォルフやエルフたちはあの弓をマジックアイテムだと思った。
「いや、あれは普通に売っているただの弓だよ」
「そんな・・・ヒューマンはあんなすごい弓を開発していたのか?」
「いや、逆だよ」
「逆だと?・・・」
「これがあんたたちが使った弓だろ?」
俺はエルフの倉庫にあった弓を渡した。
「これだ。・・・この弓と全然違うな」
ヴォルフはティアが渡した弓と俺が渡した弓を比べ引いていた。
「この弓を使えば、君たちでも戦える。だから―――」
「惑わされてはいけない」
大森林から煌びやかな服をきた男を先頭にエルフの集団が現れた。




