まずいぞこれは・・・(アルト視点あり)
300人分の料理を作っているのを、フードを被ったエルフたちが見ていた。
「アルト、これは・・・」
「まずい・・・まずいぞこれは・・・」
大森林から、やつらの姿を監視していたが、まさか援軍がくるなんて・・・
「アルトどうする?」
エリスの奴、抜け人になってこんな人脈を作り戻ってくるとは・・・本来なら、自分の親しい者にしか食事を振舞わない差別主義者だと弾劾するはずが・・・だがオレにはこれがある。
「アルトそれは?」
「これはポイズンモスの鱗粉だ」
ポイズンモスは飛ぶたびに死人が出ると言われるほと強力な毒を持った蛾だ。
「それをどうするつもりだ?」
「もちろん、食事にさりげなく振りかける」
「なっ!そんな・・・」
「お前、正気か?」
「今は白く見えるが、1つ1つは小さく見えないだから見破れない」
これでやつらは体力殺戮者の汚名を被ることだろう。
「同胞を殺すのか?」
「同胞って言っても奴らはライト、死んでもかまわん」
「アルトお前・・・」
俺はあいつの指示に従ってここまでこれた。あいつの命令に逆らうわけにはいかないんだよ。
「これをお前に預けるしっかりやれよ」
これを振りまいて鱗粉を吸って死にたくはないからな。
「はぁ?こいつにやれせろよ」
「なんで俺が?お前がやれ」
「ふざけるな!」
お互いになすりつけて誰がやるか揉めていた。
「なら、俺がもらおう」
「おう、しっかりやれよ」
オレは鱗粉の入った小瓶を渡した。
「これで、おしまいだな」
「まったくだ」
「いや、お前らがだよ」
フードを脱ぐとヒューマンの男だった。
「なっ!」
「誰だこいつは?」
オレたちは弓を構えようとしたが
「おっと動かないでもらおうか?」
小瓶をゆらゆらと揺らしていた。
「バカな。それが何かわかっているのか?」
少しでも漏れたらここにいる者全員死ぬんだぞ。
「話を聞いていたから、知っているよ。だからこそ、言ったんだ『動くな』と」
くそ、この男オレたちを脅して・・・
「なるべく痛くしないようにするから」
ヒューマンはオレたちを縛り上げた。
「じゃ、そこで大人しくしてて」
そう言うと、ヒューマンは仲間のところに戻って行った。
「ふごふご」
(口は塞がれ、縄も解けない・・・。だけどバルスが来たらお前たちは終わりだぞ)
オレはバルスが来るのを待つことしかできなかった。
サプライズで家に窓から入った。
「ちょっと、遅いわよ」
家から出るとエリスに怒られた。
「生理現象なんだから、仕方ないだろ」
「ちょっと料理中」
エリスは怒っていたが、気にせず作業に戻ろうとしたらティアが近づいて来て
「お疲れ様でした」
これはもしかして・・・
「バレてる?」
「エリスさんがしっかり見ていましたよ」
エリスの眺望で見られていたか。それならあんな演技しなければよかったな。エリスは気づかないふりをしてくれていたのか。
「さて、発酵も終わっただろうし、焼くか」
「はい」
俺とティアは家の窯でパンを焼いた。




