あの時の真相(ミリス視点)
ウチはミリス。エルフとして生を受けた。ウチには2人親友がいた。おっとりとしているロエナと強気なエリスだ。
エリスは変わった子で、エルフはほとんどの人は金髪なのに、エリスは銀髪だった。それにエリスは親がいなかった。なので、みんなでなにかと世話していた。
ある時から、エリスは予言のような発言をするようになった。なぜわかるのかと聞いたら、声が聞こえると言っていた。それを大人たちは『精霊の声』ではないかと、騒いでいた。だけど
「エリスの言っていることは虚言である」
長老会議で、エリスの虚言認定で流れが変わった。その日からエリスは迫害されるようになった。でもウチはエリスが好きだったし、交流は続けていた。しかし、カオスゲートで多くの仲間が殺された日。
「ミリス、エリスと関わるのは、やめなさい」
お父さんがウチに言った。
「なんで?あれはエリスのせいじゃない」
「わかっている。だけど、エリスとこれ以上関わる者は食料供給は減らすと長老会議で決まったんだ」
エルフは弓の才能によって階級がある。魔物や敵を倒す『ヘビー』、見回りや動物を狩る『ミドル』、織物や民芸品、山菜取りをする『ライト』に分かれている。ウチの両親は2人ともライトだった。
「うちは供給が途絶えれば、破滅だ。だからわかってくれ」
ウチには弟がいる・・・ウチはエリスは見捨てた。
「・・・」
エリスはウチの話を黙って聞いていた。
「ロエナのところも妹がいるわね」
ロエナは無言で頷いた。エリスは大きく息を吐き
「あなたたちを許すわ」
「・・・いいの?」
「家族を守るためだったんでしょ?」
「うん・・・」
「なら、あなたたちを責めることはできないわ」
「ありえないわ」
ロエナが叫んだ。ずっと一緒にいたけど、彼女がこんな大声を出すのを聞くのは初めてだった。
「私たちがあんなことしたのに家族のためなら、責められない?そんなのありえない」
ロエナ・・・ずっと罪悪感に打ちのめされたものね。
「そうね。少し前は2人を恨んでいたわ」
やっぱりそうだよね。
「でも、私の仲間がね。誘拐犯の話を聞いて、その男を許す機会を与える姿を見て、思ったの。恨み続けるより、許す方が大切だって」
エリスがすごい大人に見えた。
「ごめんなさい」
ロエナはエリスに抱き着いた。ロエナは大声で泣いていた。
「仕方ないわね」
エリスはロエナの涙をぬぐっていた。
「ほら」
エリスにハンカチを渡された。そこでウチも泣いていたことに気づいた。




