エルとの会談の不安
「馬車だと速いな」
侯爵から餞別としてもらった馬車に乗ってフローデン大森林に向かっていた。
「そうですね」
エリスは御者台に乗っていて静かだった。
「このままならどのくらいだろう?」
「もうすぐたどり着くかと・・・」
アルスソワーズを出て2日、町や村を通過して進んでいた。その途中で避難のためか荷物を持って移動している人がいた。
「援軍は来るでしょうか?」
「・・・正直期待しない方がいいな」
投入できる部隊のほとんどをレファンとメラーゼに送ってしまった今、こちらに来る人数は少ないだろう。レファンとメラーゼに行った部隊をこちらに移動させるのも地元住民が反対してできないだろうからな。
「そうですか・・・」
「エルフって実際強いのか?」
「わかりません。エルフは基本、フローデン大森林に住んでいて、私もエリスさんが初めての遭遇でしたから」
そうか、最悪3人になるのか・・・。
「ですが昔、母から聞いたことがあります」
「どんな?」
「この世界の3大種族は『オーガ』、『ドラゴニュート』、『エルフ』だと」
それが本当なら頼りになるが、聞くからに閉鎖的な感じがするな。前に会ったエルフも社交的とは言えなかったしな。
「あっ、見えてきました」
遠くだから小さく見えた。
「エリス、故郷が見えたぞ」
窓を開けてエリスに話しかけたが
「ええ、そうね」
帰郷した人の反応とは思えなかった。そういえばエリスは『抜け人』と言われていたな。
「フローデン大森林を守るために来たんだ。邪険にはされないだろう」
「そうだといいわね」
どうやら根が深い問題のようだ。とりあえず行ってみないとわからない。俺たちはフローデン大森林に向かっていった。




