ベネティクス侯爵の想い(アントワーヌ視点)
私はアントワーヌ・ベネティクス。ベネティクス侯爵家の生まれたた。アルスソワーズとその周辺を治めるベネティクス家はシュタンフェン王国有数の名家でもありみんなからは羨ましがられた。
でも私はこの家が嫌いだった。まずアントワーヌていう男の子っぽい名前が嫌だった。父はきっと男の子がよかったのでしょう。しかし、母は体が弱く1人しか産めないと言われ、女である私が生まれた。父はさぞ残念だったのでしょう。
そして私は幼少の頃から様々な習い事をさせられた。ピアノにダンス、バイオリン。海が近いからか水泳も習った。
私は社交界にも行かされた。母から受け継いだ美貌で多くの男性に欲望の目で見られ、女性からは嫉妬の目で見られとても楽しい場所ではなかった。
私にとって1人になれる乗馬が心安らぐ時間だった。領民との交流は貴族を相手にするよりもずっと楽で、彼らのためにと政策を父に進言したこともあった。それが成功し、褒められるのは嬉しかった。
そして王族の人に目をつけられ、私はその男と結婚することになった。その男がクズで欲望で生きるような男だった。妊娠中にいたそうとした時は殺意が芽生えた。
そしてヘレンスティアが生まれた。妊娠中は色んな意味で大変だったが、ヘレンが生まれて、とても嬉しかった。私はヘレンを自分で育ててあげたいと思い育児を自分でするようになった。あの男のことなど忘れて・・・
ヘレンが離乳食になったあたりで部屋にこもりきりでよくないとメイドに強く言われて、屋敷を出て散歩することにした。そこにいた領民の顔に笑顔がなかった。どうしたのか聞いたが誰も答えず、避けられた。
心当たりがなかったが、理由が知りたくて夜に変装して、この町で社交場になっている酒場に行った。そこにはあの男が手下を連れて好き放題していた。私は言葉が出なかったでもどうにかしなければと屋敷に戻り父に言った。父は私の発言に訝しがったが、私とともに酒場に行き、あの男の蛮行をみて男を連行した。
あの男は王族であることと盾に何か言っていたが、王家に抗議と離婚の旨を伝えた。王家はこちらで更生させるので、離婚はとどまって欲しいときた。父はそれを了承し、あの男は王都に連れていかれた。
父と私はあの男のした功罪の贖罪のために奔走するはめになり、ヘレンの面倒をみれなくなってしまった。その過労でか、父は亡くなってしまい私は21歳で当主となった。
やっと落ち着いてきたと思ったら、最悪の書状が王家からきた。あの男が戻ってくるという書状が。私はなにかと理由をつけて拒絶しようとしたが、今度何かしたら王家が責任を取るとまで言われ、断ることができなかった。
そして、あの男が帰ってきた。あの男は私にかつての行いを反省する言葉を述べたが、私は信用しなかった。だから執務を手伝うと言われても断った。
安定してきたとはいえ、アルスソワーズは世界最大の港街であり、仕事は多かった。なので、ヘレンや母の顔を、見る機会は少なかった。
久しぶりに母の顔見に行った時に言われたのだ。ヘレンの様子がおかしいと。私にはいつも通りに見えたが気になり、ヘレンの様子を見に行くと、あの男に暴力を振舞われていた。私は2人の間に割って入り、止めさせた。
そして、あの男を王家に送り、二度とこちらに来させるな。もし来るようなら、反旗を翻すと思われるような文章を送り王家は謝罪文と二度と王都からは出さないと約束してくてくれた。表向きには病死したと私と王家が公表した。
ヘレンに何故知らせなかったのか聞くと私に迷惑を掛けたくなかったからだと言われた。私はその言葉に罪悪感を感じ自分ではヘレンを守れないしいい母親にもなれないことを痛感し、ヘレンを全寮制の貴族学校に入学させた。
私が独身と知るや否や、男たちが群がってきたが、もう結婚は懲り懲りだと思い、あしらった。
そんなある日、勇者召喚を行うと王家から連絡がきた。私も式典に参加するよう要請され、王都に向かった。召喚された人たちは子どもばかりで不安になった。そしてその中に彼がいた。
彼は優遇されるAクラスに選抜されたにもかかわらず、他の人の待遇に抗議して、追放された。他に貴族はバカな男だと彼を蔑んでいたが、私は彼に関心をした。
そして、アルスソワーズに帰る道中、ヘレンのいるクラスが攫われたという話が舞い込んできた。私は慌てて進路を変えてヘレンを救助しに行こうとした。モースタウンに着いたときはもうヘレンは救出されていた。ヘレンと再会し、ヘレンを救ってくれた恩人に会いに行くとそこには彼がいた。驚いたが、彼が助けてくれたこととても嬉しく感じた。
新聞で彼がカオスゲートを3人で撃退したという記事を読んで心が躍った。『ヒモ男』と書かれていたことは笑ったが。その前のドクバル男爵逮捕に助っ人がいたとディスガイズがコメントしていたがそれは彼らだと私は思っている。それからは新聞を読むことも楽しみになっていた。
ある日、彼らがこちらに来ると連絡が来て、久しぶりに気合をいれておめかしした。それを褒めて舞い上がる自分を必死に抑えた。娘のお世話頼んだら、了承してくれた。あの男に暴力を振るわれていたヘレンは大人の男性に恐怖を覚えてしまったので、不安であったが、私にも見せたことのない笑顔で嫉妬してしまい意地悪をしてしまった。パパと呼ばれていたことには驚いがヘレンが嬉しいそうなのでいいと思った。
アームストロングから、彼からの報酬の要望書を読んだ時にも驚いた。
ヘレンとの時間を作ってやってくれと軽々言うわねと内心思ったが、徹夜して終わらせた。隈ができていないか不安で化粧を濃くするはめになったが、ヘレンとの久しぶり、いや、初めての親子の交流がとても楽しかった。私がヘレンに距離を開けていることを見破られて逆上して口論となってしまったが夫婦のような会話ができて内心喜んでしまった。
ヘレンのお誕生日会はヘレンが大人に気を使い、何のための会なのかと思ったが、彼の用意してくれたスシというもののおかげで初めてヘレンに料理を作ってあげることができた。私が街の有力者と話しこんでいるとヘレンがチラチラとこちらを見ていたので、話を切り上げてヘレンのところに行くとヘレンが一緒に遊んで欲しいと言ってきた。なので私はそれを了承し、トランプというもので遊んだ。今日は娘が主役なので、私は遊び終えて寝室に戻った。
次の日まだ日が昇り始めてたころに王都から使者が来た。デスマーチの予想確率が変更になったと。それはフローデン大森林付近が一番可能性が高いというものだった。エルフの仲間のいる彼に伝えると彼は行ってしまった。
ヘレンも学校に帰る時間になり、出発した。ヘレンは出発する前に来年に欲しいものを言ってきた。待っていてねヘレン。来年までには手に入れてみせるわ。
新作執筆のため、明日から一話更新にさせてもらいます




