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急転直下

朝、ヘレンと一緒に食堂に行くとティアとエリスがいた。


「奇遇ね」


奇遇?


「エリスさん、ここの料理はおいしいのでお相伴にあずかろうと」


たしかにここの料理はおいしいな。


「さぁ座ろうか?」


「うん♪」


俺とヘレンが隣で向かいにエリスとティアが座って食事した。


「昨日は楽しかったですか?」


「うん。今までで一番嬉しかった誕生日会だったの」


「それはよかったわね。それで昨日はカ・・・パパと何をしていたのかな?」


ヘレンは上をみて考え


「えっとね、カードゲームで遊んだ」


「他には何もなかったのですか?」


「何かって何?」


「え?えっーとその・・・ねぇエリスさん?」


「私⁉ほら、お母さんと・・・ね?」


なんだ?2人は何したいんだ?要領得ない話でヘレンは困っているようだ。


「お母様は、ヘレンとパパと一緒にカードゲームで遊んでくれたよ?」


「他には?例えばお風呂一緒に入ったり、一緒にベットに寝なかった?」


「お風呂は使用人と入って、ベットはパパと一緒だったよ?」


「そうなのね」


ティアとエリスはホッと息を吐いた。


「しかし、この料理ほんとにおいしいわね」


「ええ、悔しいですが負けを認めざる負えませんね」


急に和気あいあいになって怖かった。


「でも、ヘレンが寝ていた後何していたかは知らないよ?」


その言葉に2人は固まった。


「そ、そう・・・」


「フフフ・・・」


この食事が終わったら、俺どうなるのかな?悲壮感に耽っていると


「トージョー様はおられますか?」


軍人が慌てたように入ってきた。


「ここにいた・・・」


エリスを見て絶句していた。


「どうしたんだ?」


「あっ、その・・・侯爵様がお呼びです・・・」


何か起きたみたいだな。


「わかった。すぐに向かう。ごめんね」


俺はヘレンに謝った。


「ううん。早くお母様ところに行ってあげて」


「私もいくわよ」


エリスは立ち上がった。エリスも自分に関係することだとわかっているようだ。


「そうだな。ティアも来てくれ」


「はい」


ティアは口を拭き、立った。


「では、こちらに・・・」


軍人に先導され移動した。


「これは我々にとって大変な事態ですぞ」


「そうです。これはこの街の存亡がかかっています。避難はさせるべきでは?」


「こちらに来るとわかっていない今早計すぎでは?」


「ここには10万人の人が住んでいるんだぞ。わかってからでは遅すぎる」


部屋の中では大声で議論をしているようだ。


「失礼します。トージョー様をお連れしました」


「どうぞ、お入りになってくださいまし」


部屋に入ると、昨日の誕生日会にいた人たちがいた。


「急なお呼びだし申し訳ありませんわ。トージョー様に至急ご連絡したいことがありましたの」


侯爵はエリスを見ても、動揺してはいなかったが、チラチラと見ていた。


「気にしないでください。用とはなんでしょうか?」


「デスマーチまで残り15日になり、予言の更新を伝えられましたわ」


デスマーチの日に近づき正確な場所がわかったってことか?


「それで有力候補だったレファンは20%、次のメラーゼが15%がなりましたの」


ノブからもらった確率より大分下がっているな。!待てよこの2つが下がるということはどこかが上がっているということだ。エリスに対する態度から察するに・・・


「そして第三候補でしたフローデン大森林西3キロの場所の出現する確率は65%となりましたの」


「っ!」


やはりな。エリスはかなり動揺しているな。無理もない。周りの人もエリスから顔をそらしていた。


「それで、俺たちに何をしてほしいのでしょうか?」


「!わかるのですね・・・」


今の報告なら、急いでに伝えなくてもいいはずだ。まだ2週間あるのだから。だが侯爵は至急と言った何かあるとしか思えないな。


「魔王は多くの人がいるところを襲うということはご存知かしら?」


「初耳です」


「ここアルスソワーズこの辺りで一番人口の多い街なのです。しかし戦力はレファンとメラーゼに投入して、十分とは言えず・・・」


「エルフ族の方たちに魔王と戦えとおっしゃるのですか?」


「いえ、数日足止めしてくだされば・・・」


「それってやっぱり戦えってことでしょうが」


今まで黙っていたエリスが声を荒げていた。


「貴様、侯爵様になんたる―――」


「構いませんわ。事実ですもの」


ヘレンといた時とまったく異なる非常の徹した侯爵がそこにいた。


「私たち王国もできるだけの軍を送ります。あとこれを」


侯爵は封蠟された手紙を渡してきた。


「ここにはエルフの方に対する補償を確約する誓約書が入っています。これを大長老様に直接お渡ししてしていただけませんか?」


「わかった引き受けよう」


「カズマサ」「カズさん」


「承諾していただいて感謝の念に堪えませんわ」


「いくぞ」


「カズマサ君、この子を連れて行って」


侯爵は鳩の入った籠を渡してきた。


「伝書鳩か?」


「ええ、そちらの世界にもあるのですね」


聞いたころがあるだけで使ったことはないんだが・・・まぁいい。俺たち部屋を後にした。


「カズマサ、あんた・・・」


「安心しろ。俺はエルフに戦いを強制するつもりはないよ。侯爵とそんな約束はしていないしな」


「・・・あんた、ずっと黙っていたのって・・・」


「その通りだよ」


へたなこと言えば面倒なことになりそうだったからな。


「ずるいですね」


賢いと言ってほしかったがまぁいい。


「それじゃあ早速―――」


「いや、寄るところがある」


「急がないといけないのでしょう?」


「少しの間だけだ」





「ヘレン」


「あっ、パパ」


ヘレンが走ってきた。


「パパ、用事ができたから行かないといけなくなったんだ」


「そっかー。でもパパがまた来てくれて嬉しかったよ」


「そうか、それはよかった」


「あのね、あの・・・」


「どうした?」


「あの、またヘレンの『パパ』になってくれますか?」


俺は魔王を倒したらいなくなる存在。ここで下手な約束は・・・


「ダメですか?・・・」


「そうだね。また会えたらいいよ」


「ほんと!ありがとう」


ヘレンは俺に抱き着いてきた。しばらくして満足したヘレンが離れた。


「パパのご武運をお祈りします」


スカートの裾を持ってヘレンが言った。


「ああ、頑張ってくるよ」


俺たちはアルスソワーズを出て、エルフの住むフローデン大森林に向かった。

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