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カルチャーショック

「「「ヘレンお嬢様、お誕生日おめでとうございます」」」


夕飯の時間になり、ヘレンの誕生日会が始まった。誕生日会には俺たちと屋敷の使用人だけでなく、大勢が来ていた。おそらくこの街の人たちだろう。ちなみにヘレンは先ほど購入した着物着ていた。


「今日はお越しいただきありがとうございます」


俺たちといた時と違い、大人口調でヘレンは言った。自分の誕生日なのに大人に気を使わないといけないヘレンが昔の自分と重なってみえた。


「カズさん、これ食べてみてください」


ティアが料理を持ってきた。おそらく彼女が作ったものだろう。


「!おいしい」


いつもよりいい素材を使っているのか、いつもよりおいしいく感じた。


「料理人の方にアドバイスをもらって作ったのですがそう言っていただけてよかったです」


なるほど、技術が向上したのか。これは食事がますます楽しみになるな。


「それではヘレンちゃんに持っていきますね」


「きっと喜ぶぞ」


ティアはヘレンの方に行った。


「私はこれよ。熊の串焼きと鹿肉と野菜のスープよ」


・・・俺、ジビエ料理苦手なんだよな。臭みがあるしな。


「・・・」


エリスがこちらを見ている・・・食べるしかないか・・・


「いただきます。!」


なんだこの串焼きは・・・とても柔らかい味もしっかりしていて臭みがない。次にスープを食べてみた。これもおいしい。鹿肉の淡泊さをスープにいれ野菜の風味も合わさって調和している。


「これはどうやったんだ?」


「朝仕留めた鹿と熊をすぐに血抜きをして、長い時間をかけて火をかけたのそれで臭みがなくなるわ」


ジビエにこんな調理方法があるとは・・・


「すごいな・・・」


「そうよ。見直した?」


こんなの食べたらジビエ料理が


「好きになりそうだ」


「は、はぁ?な、な、なにを言っているのかしら!!!」


ん?なんかエリスが焦っているな


「どうした」


「わ、わ、私に近づくなーーーー」


エリスはどこに行ってしまった。


「トージョー様」


執事のアンドレさんが来た。


「準備できたそうです」


「わかりました」


俺はヘレンのところに行き


「俺の料理も食べてくれないか?」


「ぱ・・・トージョー様のですか?」


準備は自分じゃできないから、屋敷のシェフに頼んでいたんだけどな。


「どう?」


「いただきます」


「ついて来て」


ヘレンがついてきた。


「俺の用意した料理はこれだ」


「これはご飯と魚ですか?」


「そうだね」


「このお米、すごい匂いですね?」


?酢飯はこんなものだろう


「これは酢飯だよ」


「スメシですか?」


あれ?街に行ったら売っていたからこの世界でもメジャーなのかと思ったが違うのか?


「トージョー様。酢というのは勇者様の1人、サトウ様が作られた食品でありまして、この世界の人はまだ認知は低いのです」


アンドレさんが話してくれた。あっそうなの?


「見てあの腐った米を」


「何を考えているんだか」


「隣にあるのは生の魚よ」


「無知者がなんでここにいるのかしら?」


この状況でヘレンに食べさせるわけにはいかないな。


「ごめんね。やっぱり―――」


「私はいただきたいです」


「えっ?」


「トージョー様が私のために用意してくれた料理でしょう?なら是非とも」


「いいのかい?」


「はい」


どうしよう前が霞みそうだ。だけど俺はこらえてシャリを握り、鮪をのせた。


「はい、できた。この小皿にある黒い液体をつけて召し上がれ。あっ、手で持ってね」


この会場に箸はないからね。用意してもよかったけど、使い慣れていなそうなのでやめた。


「では」


ヘレンが食べた。しっかりと咀嚼し


「おいしい・・・」


よし。


「おいしいです。この料理。違うのをいただけますか?」


「いいよ」


こんどはイクラ軍艦を用意した。


「これはそのまま食べて」


「はい。!これはぷちぷちしてすごいです」


「嘘だろ」


「まさか・・・」


「生の物など食べればお腹を壊すぞ」


「その心配はいらない」


そこ声に皆が注目した。白い髭にオールバックに眼鏡、魚が描かれた服をきている男が現れた。


「あなたはフィッシュ&フィッシュ博士・・・」


「三度の食事に魚料理を食べ」


「魚をおかずに魚を食べ」


「食べた魚はいないというあの御仁か」


あの人はクルードさん?どうしてここに?ということはメリルさんも?あっ、あの皿で顔を隠している人、多分メリルさんだな。


「このわたしが選んだ魚たちだ。この魚たちで腹壊すことはない」


ざわざわと周りの人たちが話し始めた。


「あなたが言うなら安心ですわね。私もいただいてよろしいかしら?」


侯爵はウニを指定してきたので、握り渡した。


「ウニは食べたことありますけど、このお米と一緒に食べると格別ですわ」


「お褒めの言葉ありがとうございます。ではこちらに」


「?」


侯爵は首を傾げた。


「是非あなたに作っていただきたい」


「私に?」


「今日はあなたの娘の誕生日会です。娘のために料理を作るべきなのでは?」


「・・・わかりましたわ」


俺は場所をあけ、侯爵がシャリの前に立った。


「米の量はヘレンが食べやすいように少な目に」


俺の指示通りの量を手に取り


「あまり握りすぎず、空気を含ませるように―――」


侯爵飲み込みが早かったので、文句のないシャリが完成した。


「ヘレンは何がよろしいかしら?」


「私はこれがいいです」


ヘレンはおずおずと鮪を指定した。


「では小さい鮪をのせて完成です」


「ヘレン、どうぞ召し上がって」


完成した寿司をヘレン渡した。


「いただきます」


醤油をつけ、食べた。


「おいしいですお母様」


ヘレンははにかみながら、感想を言った。


「よかったですわ。次はなにがいいのかしら?」


「ぷちぷちがいいです」


「わかりましたわ」


2人は楽しそうにしていた。


「よかったですね」


ティアがいつの間にか横にいた。


「ああ、用意した甲斐があったよ」


「でも、あんな密着する必要はあったのですか?」


あれ?これはやばい・・・


「必要だったよ。米の具合を教えるには・・・」


ティアはジィーっと見ていた。


「今度は私に教えてくださいね?」


「あ、はい・・・」


こうして誕生日会は終了したのであった。

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