親子の交流
「今日は楽しかった」
「そうか、それはよかった」
アルスソワーズに戻り、屋敷に戻ろうと歩いていた。子爵の残党を回収するようの緑軍にはしっかり伝えた。
「パパが本当のパパだったら、よかったのにな・・・」
ヘレンがボソッと言った。
「そんなこと言ったら、天国にいるお父さんが悲しむよ」
「・・・」
ヘレンは立ち止まり、顔を下に向けた。
「ヘレン?」
「・・・お父様は地獄にいる」
えっ?地獄?ヘレンの顔がこわばった。
「そんなこと言わなくても・・・」
「お父様、散々悪いことして、死んだから、地獄に行ってる」
あんまりいい父親じゃなかったのか。話題を変えなければ。
「お母さんはどう?」
「お母様は、好き。でもあんまり会えないから・・・寂しい」
全寮制の学校行っているから仕方ないけど、ヘレンはまだ小さい。母親のぬくもりがほしいよな。
「お母さんともっと一緒にいたいんだね?」
「うん・・・でもお母様、仕事忙しいから迷惑かけたくない」
「いいか、ヘレン。子どもが親と一緒にいたいことは迷惑じゃないよ」
「でも・・・」
「ヘレン」
「お母様!」
ヘレンは顔をあげると公爵が立っていた。いつもの煌びやかな服装ではなく、ラフな格好だった。
「どうしてここに?」
「それはあなたと一緒にいるためですわ」
「え?でもお仕事が・・・」
「今日のお仕事はもう終りましたわ。だから大丈夫ですわ」
「ほんと!」
「ええ」
ヘレンはとても嬉しそうだった。
「ヘレンはどこに行きたいのかしら?」
「え?えっーと・・・えっーと・・・」
突然の提案に何も浮かばないようだ。
「なら、歩いて気に入ったお店があれば入ることにしましょう」
「それがいいー」
俺の出番は終わりだなと思い、去ろうとすると服を掴まれた。
「パパ、どこに行くの?」
「えっ?」
侯爵がいるからお役御免だよね?
「今日一日パパなのですから、一緒に来ていただけますわね?」
あれ?俺の想定と違うな。
「パパ、こっちだよ」
右手をヘレンに引っ張られて、左腕を侯爵に掴まれるこの状況・・・なんじゃこれは?




