アルスソワーズ
「ようこそ、アルスソワーズに」
ベネティクス侯爵が街の入り口で出迎えをしてくれた。なので俺たちも馬から降りた。
「わざわざ出向かけてくださり、ありがとうございます」
俺の受け答えに微笑んで応じてくれた。
「構いませんわよ。あらそちらの方は?」
「新しい仲間です」
「エリス・ユグドラシルです・・・」
エリスは不機嫌そうな顔で握手した。そしてティアとこそこそ話をしていた。
「さぁ、行きましょうか」
護衛の軍人、侯爵、俺たち、護衛の軍人で歩いていてすごく目立っていた。
「侯爵の服装とてもおしゃれですね」
無言も悪いと思った俺は侯爵に話をふった。
「あらわかる?今年の最新コーディネートなの似合うかしら?」
「ええ、とっても。まるで侯爵のために作られたデザインのようです」
「まぁお上手ね」
公爵は腕を絡めてきた。後ろから殺気が流れ始めていた。
「侯爵。夫がいる女性がこのような行為はしないほうがよろしいかと」
これでやめてくれるはずだ。
「そうよ」
「不義理だと思います」
ティアとエリスが援護射撃してくれた。
「私の夫は死んで2年になりますの」
あ、しくじった。
「申し訳ございません」
「構いませんわよ。政略結婚で愛情もありませんもの」
侯爵は苦虫を嚙み潰したような表情した。
「さぁ、着きましたわ」
目の前にはとても大きな屋敷があり、どのくらいの広さかここからではわからなかった。
「侯爵様、おかえりなさい」
「「「おかえりなさい」」」
執事の人に続き、メイドが出迎えた。
うちにもお手伝いさんはいたけど、本物は違うなと思った。
俺たちは執務室に入り事件の経緯を話した。
「そう。大変でしたわね」
「私たちからすれば楽勝よ」
「エリスさん・・・」
エリスが胸を張り、ティアがなだめていた。
「それで要望はなんですの?」
「それは少将に渡した。要望書に書いてあるから、後で見てくれ」
「あら、ここでは言えないことですの?」
公爵は扇で顔を隠しながら言った。
「まぁ、そんなところです」
「カズマサ、あんた何を書いたの」
他人にバレたらまずい内容だからここで話せないわ。
「不潔です」
エリスに首根っこ掴まれた。苦しい・・・
「侯爵様、食事の準備がととのいました」
「あら、食事にいたしましょうか?」
エリスが放してくれた。危なかった。
「覚えときなさいよ」
「カズさん、後でお話があります」
どうやら危機は終わっていないようだ。




