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来たのは・・・

ティアにヒールをかけてもらい腹の傷は塞がった。小林から貰った≪クイック≫のインスタントコアを使わなかったら、危なかったな。特急で生産してくれたコバヤシには感謝しないとな。


「助かった」


あと少し遅かったらやられていたな。


「助かった。じゃないわよ。あんたは毎回毎回」


エリスは泣いていた。


「ごめんな」


エリスの涙をハンカチで拭いた。


「これで終わったんですね?」


「誰か近づいてくる」


奇襲されないようにサーチをしていたが、ここで来るとは・・・アレクセイとボスの気配があるな。捕まったか?


「まだ戦えるか?」


「もちろんよ」


「はい」


正直体力も魔力もかろうじて残っているだけだが、戦い抜く。俺には頼りになり、守るべき仲間がいるのだから。


「来たわよ」


エリスの声に緊張が走った。土埃をまき散らしながらこちらに向かってくる軍団がいた。鎧は緑色なので緑軍みたいだ。


「いきます」


ティアが攻撃をしかけようとした。


「まって」


エリスが止めた。


「どうしたんだ?」


「アレクセイがこっちに向かって手を振っているわ」


それってつまり・・・


「おーい。アニキ、みんなー助けに来たよー」


援軍のようだ。








「アレクセイ、うまくやれたようだな」


「うん、アニキに言われた通りやったら、倒せたよ」


アレクセイはすごく興奮していた。


「そうか、俺はお前はやれるって信じていたぞ」


「アニキ・・・」


アレクセイのパンチ受けた時正直意識吹き飛びそうだったしな。


「失礼」


隊長らしき身長2メートルくらいで鎧の上からでもわかるすさまじい筋肉の男性が近づいてきた。


「私はグレイグ・アームストロング少将。緑軍の指揮官をやっている」


アームストロングってまさか。


「ぼくの父さんだよ」


そうか・・・アレクセイが誘拐された理由がわかった。


「アームストロング少将、1人北の方に逃げてしまったのですが・・・」


「そうか。おい」


「はっ!」


軍人の何人かが北に向かった。


「俺はトージョー・カズマサです。こっちはユースティア・アルバインとエリス・ユグドラシルです」


「息子を助けてくれただけでなく、法を冒した子爵の捕縛、獣人たちの解放までしていただき、なんとお礼を言ったらいいか。何か望みはあるかね?」


「ティア、紙とペンを」


「はい」


ティアは紙とペンと書きやすいよう板を渡してくれた。俺はそこに望みを書き折りたたんだ。


「これをあなたの上司に渡していただきたい」


「わかった」


アームストロング少将は要望書を懐にしまった。


「急いで来たので馬車を用意できずに申し訳ない」


「いや、馬があれば十分です。なぁ?」


ティアとエリスはこちらをジィーっと見ていた。


「どちらと一緒に乗るの?」


えっ?馬の空きは3頭いるよね?


「私ですよね?」


「私の方が頑張ったわよ」


ティアとエリスが口論を始めた。


「ちょっと落ち着け」


軍人たちが見ている中で恥ずかしい。


「じゃあ、じゃんけんにする?」


「望むところです」


「「じゃんけーんぽん」」


エリスとティアはグーでアレクセイがパーだった。


「やったー。ぼくがアニキの相乗りだね」


アレクセイは喜んでいた。それをティアとエリスは見つめ、アームストロング少将は苦笑した。

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