VSバストール
「いい動きだ」
バストールはニヤッと笑っていた。久しぶりの骨のある相手と戦えて喜んでいた。
「それはどうも」
こいつ俺の槍術の方が押しているのに余裕があるような笑み・・・俺は少し距離をとった。こういうタイプは警戒した方がいいからな。
「若くしてブレッシングなしでのこの槍さばきこれほどの才能をもった人間を見たのは2人目だ」
こいつ、ブレッシング使えるのか。あのビスマルクという男もブレッシング使った後動きが変わったんだよな。余裕の理由はそれか。
「初めてじゃなんだな?」
「俺の1つ下に小僧クラスの化け物がいたんだよ」
「へぇ、そいつはどんなやつだったんだ?」
「俺たち先輩に喧嘩を売り、勝って俺たちより先に卒業したそんなやつだったよ。そういえば、小僧の連れの女、あいつに目元がそっくりだったな」
まさか・・・いや違うだろう。
「小僧もあの男に似ているように見えるな」
俺は日本人だぞ。この世界の人間と似ているはずがないだろう。
「その自分の信念のためなら目上のやつにも牙を向けるその目つき、そっくりだ」
それは少し嬉しいかもな。
「あんたは俺より強いってことか?」
「俺は10年藍軍にいた男だ。そこいらにいるやつとは格が違うんだよ」
10年も藍軍にいた男か。
「少しは俺のすごさがわかったか?」
「ああ、藍軍の過酷さは最近聞いたからな」
「ボスのやつが喋ったか。そういえば、人質とボスはいなかったな」
やはり俺たちが連れてきたことに気づいていたか。
「どうして知っている?」
「ばあさんから聞いたからだよ。あのばあさんをボスに教えたのは俺だぜ。あのばあさんは金さえ渡せばなんでもするからな。お前が毒で動けなかったこと、お前たちが徒歩で移動していること詳しく教えてくれたぜ」
「そうか・・・」
「で俺は考えた。人質のガキと証人になるボスを先に行かせて俺たちを足止めするのがお前の作戦だろ」
「!」
「俺もお前の立場なら同じ手を使うだろう。だから対策させてもらった。今頃人質を奪取し、ボスは死んでいるだろうよ。それが完遂した場合は赤い狼煙が上がる算段よ」
「ボスはお前の部下だろ?」
こいつ、本気で部下を殺すつもりか?
「べらべらと余計なことを喋るやつは必要ないんだよ」
「そうか・・・」
俺はこらえきれず、笑ってしまった。
「なんだ?その笑みは?」
「こっちはあんたが仕掛けた対策を破る対策を用意していたからな」
「なんだと?」




