無視は辛いです
次の日の朝、牢屋付きの馬車に盗賊のボスを乗せてアルスソワーズに向かっていた。この馬車は盗賊が持っていたものだ。
「馬車があると歩かないでいいから楽よね」
「そうですね。風が気持ちいいです」
「なぁ、ティアが手綱を握っているから、ティアが真ん中がいいと思うんだが?」
「あっ、あそこに鹿がいるわ」
「角が立派なので雄ですね」
無視されました。ちなみに魔物と動物の違いは目が紫かどうかです。紫なら魔物。それ以外の色なら動物というわけです。
「あれは水牛だな」
右にいた、水牛を指すと
「あれが縞馬よ」
「私。初めてみました。本当に白黒なんですね」
ちなみに魔物は動物を襲いません。理由はわからないそうです。
「こらー。出せー」
無視されているのは俺だけじゃないんです。
「俺には後ろには強力なバックがいるんだぜ」
後ろとバックどちらかにしろよ。
「後悔するぞ、お前ら」
悪役のテンプレいただきました。
「ねぇ?ちょっと私を無視するなんていい度胸ね」
えぇぇぇ、さっきまでそっちが無視していたのに・・・理不尽。
「なんだよ」
「あいつうるさいから、静かにさせてよ」
俺もうるさいと思ってたから、やるか。
「ティア、手伝ってくれ」
「幼女でも、熟女でもない私に任せてください」
・・・まだ怒っているようだ。
馬車を止めて、ボスに近づいた。
「俺を解放する気になったか?」
どうしてこの状況でそう思えるのか逆に関心してしまうな。
「ティア」
「はい」
ティアはマジックボックスをボスに見えるに持った。
「あん?俺にくれるのか?」
本当にすごいなこいつ。
「あんたはマジックボックスを知っているか?」
「たしか・・・物をなんでも入れることができるモノだったな?」
「その通りだ。そしてここにあるのがマジックボックスだ」
ボスはマジックボックスじろじろ見た。
「このマジックボックスに生き物を入れたらどうなると思う?」
「知らねーよ」
「そうか。俺もだ。だからお前で試してみようか?」
「はっ?」
ボスは口をあんぐりと開けた。
「どうなるか楽しみだな。ティアはどうなると思う?」
「私は何もできないと思います。マジックボックスに入れたものは入れた状態で出てくるのですから。でも意識があるかはわかりませんね」
「・・・」
ボスは思考しているようだ。
「何もできないのに意識はあるか。それは辛いな。腕や足だけでなく瞬きもできないで出てくるのを待つのは地獄だろうな」
「ちょっと待ってくれ」
ボスは汗を流し焦っていた。
「まぁ、それは怖いですね。仮に私たちが全滅したら、永久にこの中ということですから・・・」
「た、頼む。俺をその中に入れないでくれ。なんでもするから」
「マジックボックスの世界はどんな時間軸で時間が進むのかな?1分が1秒?それとも1分が1時間に感じるのかな?」
「俺は自白する。領主の悪行の証拠があるんだ」
「証拠があるのか?」
「ああ、ここから遠くない案内する」
これは思いがけない成果かもしれない。




