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次なる一手

アンはしばらく泣き続けて、疲れたのか泣き止んだ。その顔はスッキリした表情だった。


「もう大丈夫か?」


「はい」


年相応の笑顔になった。先ほどまでの無理した表情ではないな。もう大丈夫そうだ。


「娘のこんなにいい笑顔は久しぶりです。ありがとうございます勇者様」


「俺は『  』じゃないよ」


「え?なんですか?」


「カズさんは勇者じゃないと言ったんです」


「すみません。聞き取れなくて」


俺がその言葉を言えないだけです。


「俺はその称号ははく奪されたからな」


「あなたほどのお方がはく奪されるとは思えませんが?」


「まぁ、色々あってな。アンのお父さん?あんたに頼みがある」


「アルバと申します。恩人であるあなたの頼みならなんなりと」


「ボス以外の盗賊を捕まえといてくれないか?」


「それは殺すなという意味ですか?」


「ああ。お前たちには酷な頼みとわかっている。それを承知でたのむ」


暴行してきたやつに復讐するななんて受け入れられるか?


「わかりました。お任せください」


「いいのか?」


「何か、お考えがあるのですね?」


「うまくいけば、領主を捕まえられる」


「本当ですか?」


「この世界は人身売買は禁止だよな?」


「ええ。奴隷を除いてね」


「お前たちは奴隷ではないだろう」


「奴隷は犯罪者がなるものです。私たちは罪を犯していません」


「なら、ディスガイズに接触し、こいつを引き渡せば芋づる式に領主も捕まえられるって寸法さ」


「ディスガイズにツテがおわりなのでしょうか?」


「一度会ったことがあるだけだ」


「それでは・・・」


「ディスガイズにツテはないがアルスソワーズ領主にはツテがある」


「な、なんとベネティクス侯爵にですか?」


彼女なら手助けしてくれるはずだ。


「ベネティクス侯爵って言えば、国王に次ぐ権力者って言われている人よ。どうやって知り合ったの?


そういえば、エリスには話していなかったな。


「彼女の娘が誘拐されたのを助けたんだよ。なっ、ティア?」


ティアに話を振るが不貞腐れたかしていた。


「あの方に頼るんですか?」


「ここから近いし、信用できるからな」


「信用ですか?そうですか。そうですか」


「ティア、侯爵ってどんな人なの?」


「カズさんとっーーーーーーーーーとも仲良しな方ですよ」


「・・・なるほどね」


ティアさん言い方が怖いです。エリスさん睨まないでください。


「あの・・・」


アルバさんが置いてきぼりだった。


「すまない、アルバさん俺たちはアルスソワーズに行くから、盗賊はこのマークを持った人に引き渡してくれ」


俺はひし形3つに山が右にある絵を渡した。


「わかりました。無事にたどり着くことをお祈り申し上げます」


「ありがとう」


これで第一段階は終了だな。うん?服が引っ張られている?アンが俺の服を引っ張っていた。


「あの・・・その・・・」


何か伝えらしいけどモジモジしていたので、アンが落ち着くまで待った。


「お腹触ってください」


アンはまくり上げてお腹を見せていた。


それくらいならと手を伸ばそうとした瞬間


「獣人にとってお腹を触るという行為は求愛の証なのよ」


えっ?そうなの?ってエリスさん、瞳孔が開いている!


「今なにをしようとしたんですか?」


ティアさんその笑顔怖いです。


「アン、困っているだろう。やめなさい」


「でも・・・」


アルバさんがアンの服を元に戻した。


「すみません。娘が」


「いえ、子どもがやったことですから」


「あなたが紳士な方で本当によかった」


触っていたら、俺どうなっていたんだろう?俺は考えるのをやめた。


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