コバヤシの発明披露会
「いやー助かったでござるよ」
コバヤシはティアの入れたお茶を飲んでいた。
「私たちが来なかったらあんたどうなっていたか」
「カズさん、落ち込まないでください」
「外怖い。俺、家いる」
俺は若干引きこもりになりかけていた。
「トージョー氏いいものを見せるでござる」
いいもの?
「拙者のファタス≪創作≫で作った『テツヤイケール』でござる」
コバヤシは錠剤を見せてきた。
「それ、どんなものなの?」
「これは24時間眠くならない優れものでござるよ」
「それがすごいですね」
「副作用で24時間経ったら10時間は起きられないでござる」
「いや、怖いでしょ」
「「・・・」」
コバヤシとティアは無言になった。
「お次はこれ『オンセイオボエール』これは音をこの機器に収録できるでござる」
「ここのボタンを押せばいいのですか?」
「そうでござる」
「明日の夕飯は牛肉のポアレとサラダ、コーンポタージュです」
「再生はここでござる」
コバヤシがボタンの場所を教えていた。
『明日の夕飯は牛肉のポアレとサラダ、コーンポタージュです』
「わ、私の声が聞こえます」
ティアは興奮していた。
「ちなみに収録できる音声に限りがあるのでカードリッジを変えることをお勧めするでござる」
「声なんて取っておいて何か意味あるの?」
「「・・・」」
ティア、えげつないな。
「最後はとっておきでござる。これならエリス氏も喜んでくれるでござる」
「へぇ~」
エリスは見下した目で見ていた。
「これはファタスを一時的に増やすことができる『インスタントコア』でござる」
半透明の球体を取り出した
「ファタスを増やす?そんなのEXコアがあるじゃない」
「EXコア高価で手に入れることがほとんどできないでござるが、このインスタントコアは安価でござる。なにせ必要な魔石が藍色や青でござる」
「それ本当なの?」
エリスは怪しんでいた。
「百聞は一見に如かずでござる」
コバヤシはインスタントコアをエリスに渡した。
「それで、どうすればいいの?」
「握りつぶすしてほしいでござる。それで発動するでござる」
「わかったわ」
エリスはインスタントコアを握りつぶした。するとエリスの腕が4つになった。
「何よこれーーー」
「すごいでござろう。うっ何をするでござるか?」
エリスの4つの腕がコバヤシを掴んでいた。
「早く元に治しなさいよ」
「これは5分経てば元に戻るでござる。だから離してほしいでござる」
「5分もこの状態なの?最悪」
エリスは自分の部屋に行ってしまった。
「これをあの男に売ったんだな」
「そうでござる」
「売る相手はちゃんと考えるんだな」
「そうしたかったでござるが、金欠でござったので」
「コバヤシこれいくらだ?」
「買ってくれるでござるか?」
「ああ。いいよなエリス?」
「はい」
「一個銀貨一枚と言いたいでござるがトージョー氏には10個で銀貨5枚でいいでござる」
「まぁ、お得ですよ」
いや、商売手口の典型だよ。ティアは騙されそうで不安だな。
「まぁいい。これは腕が増える以外あるのか?」
「もちろんでござる。これは―――」
コバヤシに説明を受け、インスタントコアを大量に注文した。
「明後日くらいにはできるので待っててほしいでござる」
「わかった。楽しみにしている。そういえば、みんなは元気にやっているか?」
「クラモチ氏は美容関係の店を、ゴトウ氏は画家にサトウ氏は発酵食品を取り扱う店、アダチ氏は洋服屋をやっているでござるよ」
「ニイヤマは?」
「ニイヤマ氏は・・・」
まさか・・・
「ニイヤマ氏は農家に婿養子なったでござるよ」
コバヤシは悔しそうだった。
「そうか、よかったじゃないか」
「そうでござるが・・・では拙者は注文の品を作るために帰るでござる」
コバヤシが帰って行った。
「ティアは全部買ったのか?」
「はい、いつか役に立つと思うので」
ティアの財布から出ているから好きにさせよう。
「カズさん」
「どうした?」
「カズさんは婿―――」
「腕が元に戻ったわよー」
腕が元に戻ったエリスが部屋から出てきて、喜んでいた。
「よかったな」
「ええ、あのままだったら、どうしようかと思ったわ。ティア、何か怒っている?」
「いえ」
ティアを見てみると、笑っているが怖かった。
「さて、夕飯の準備をしないとですね」
ティアはそそくさと台所に行った。
夕飯を食べているとノックする音が聞こえた。
「はーい。今開けますね」
「コバヤシか?」
「明後日言っていたんでしょ?」
なら誰だ?
「夜分遅くに失礼いたします。あの、私たちを助けてくれませんか?」
獣人の女の子が立っていた。




