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東城和正が靡かない理由(ティア視点)

カズさんは追いかけられて行ってしまいました。


「あれは当分帰って来ないわね」


「カズさん、大丈夫でしょうか?」


ひどい目にあわないか心配です。


「あいつなら逃げ切れるでしょ」


エリスさんもカズさんに信頼をおくようになってよかったです。


「何?」


「いえ、何でもありません」


「ねぇティア―――」


「少しいいかしら」


キタミカド様が私に何の用でしょう?キタミカド様はエリスさんの方をチラチラと見てました。


「私、少し席を外すわね」


エリスさんが離れていきました。


「あなた、これは対決で観客は四方にいたわよね?なのにあなたは一方方向にしか動かなかったわね?」


私の舞をカズさんに見て欲しくてついやってしまいました。


「私の負けです」


「あなた彼と××××したの?」


気のせいでしょうか?すごく卑猥なことを言われたような?まさか上品かつ貞淑そうな方が言うはずがないですよね?


「どうなの?したの××××」


気のせいではありませんでした。


「私たちはそんな関係ではありません」


まだっと心の中で思いました。


「・・・今度は公平にやりましょう」


そう言ってキタミカド様は行ってしまいました。二人三脚のときといい、あの方はまさか・・・


「ちょっと、いいかな?」


今度はサイオンジ様?


「何?」


エリスさんいつの間に戻ってきたのですか?


「警戒しないでほしいな。ライバルの恋人を奪うクズではないよ」


「!」


「はぁ?わ、私たちはそんな関係じゃないわよ」


「そうだね。そうだと思ったよ」


「・・・それどういう意味?あんた何か知っているの?」


私も知りたいです。


「僕たちが権力者の息子だって話はタケダがしてたの覚えているかい?」


「ええ」「はい」


「ぼくたちのところにはね、権力から零れる蜜を吸いに来ようする奴らがたくさん来るんだ。大人、子ども問わずね。そんな環境で生きていくうちにカズは人間不信になってしまったんだよ」


「人間・・・」


「不信・・・」


でも私たちに優しくしてくださいました。


「人間不信なら人と関わらないはずでしょ?」


「それは母親の影響だね。彼の母親はNGOって言ってもわからないか。人を無償で助ける団体の代表なんだよ」


見ず知らずの私のために命がけで助けてくれたのは、お母様の教育だったのですね。


「結果、彼は人を『助ける対象』として見ているだけなんだよ。君たちは彼から卑らしい目でみられたことはないだろう?」


たしかに他の男に人から来る視線をカズさんから受けたことはありません。それは彼が紳士だからと思っていました。


「・・・」


「今まで彼に恋人がいないのは、そういう理由なんだ。だから彼を攻略するのは高難易度だから、頑張ってね」


「あなたもそうなのですか?」


「ティア?」


「僕は彼ほどじゃないけどね。まぁ美女とデートと人命救助なら後者選ぶけどね」


「あんたも大概ね」


サイオンジ様は苦笑していました。


「さて、僕が言いたいことはこれで全部だよ。後は君たちの行動次第だよ。あとこれをカズに渡してくれないか?」


サイオンジ様が手紙を渡してきました。


「まさかラブレター」


エリスさん、そういう冗談は・・・


「そうかもね?」


えっ?


「まさか?あんた・・・」


「嘘だよ。嘘」


「あんたねぇ・・・」


「でも99人の主張とカズの主張、どちらを信じるかといえば、カズの方を信じるよ」


「あなたとカズさんはどういう関係なのでしょうか?」


私には2人の関係は不自然に感じます。


「最初に会ったときに言わなかった?ライバルだよ。敵対しながらお互いを信頼している関係。僕はそう思っているよ」


聞いても、いまいちわからない関係ですね。でも羨ましいと思えるのはなぜでようか?


「じゃあ、僕は行くよ。また会える日を楽しみしているよ」


サイオンジ様は馬車に乗って行ってしまいました。


カズさんを射止めるためには生半可なことではダメだということを知れてよかったです。これからは戦略を変えてアプローチします。そう決意しました。

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