不協和音
「ファイヤー」
俺に襲い掛かってきた魔物をティアが倒してくれた。
「助かった」
「いえ」
「エリスは大丈夫か?」
「問題ない」
エリスを仲間にした俺たちだが、うまく連携出来ず、3人パーティではなく2人+1人パーティという感じになっていた。
「なぁエリス俺をもっと便りにしてくれてもいいんだぞ?」
「木の棒で戦っているヒューマンなんて戦力として考えずらい。
うぐっ。はっきり言いますね。
「エリスさん、カズさんは一番多く倒しているんですよ」
おお、ティア。援護射撃だ。
「でも青や藍だけ。私とあなたは緑もあるのに」
「それはそうですけど」
あれ?ティアさん援護射撃がこちらに向かってきているんですけど?
「私には『眺望』と弓があるから問題ない」
エリスのファタスは遠くまで見える『眺望』なのである。それは教えてくれたが心の距離は、離れたままだった。
少しずつ連携ができるようになるしかないな。
「さぁ、ポルント名物のカツオだよ」
「こっちはブリだよ。新鮮だよ」
俺たちは港町ポルントに着き、買い物をしていた。
「これくださいな」
「お嬢ちゃん、美人だからこれもやるよ」
「ありがとうございます」
「すみません、こちらをいただけますか」
「銀貨2枚だ」
「はい」
「まいどー」
お金に触れられず、マジックボックスのおかげで荷物もちにもなれない俺はボーっと立っているだけなんですけどね。
「お待たせしました」
「お疲れ様。今日の食事はどうする?」
「コルベルというお店の魚料理が美味しいらしいので行ってみませんか?」
「よし、今日の昼飯はそこだな。いいよなエリス?」
「別にかまわない」
「はい、おまちどう」
3人でコルベルに行ったが食器が鉄でした。
「女将さん、木製のフォークとかないんですか?」
「うちにはそんなものないよ。ごめんよ」
「あ、いや。気にしないでください」
こうなったらティアに出してもらうか。
「ティア」
「わかっていますよ」
おお、さすが。以心伝心だな。
「はい、あーん」
全然通じ合っていませんでした。
「あのティア?」
「なんですか?」
「自分で食べるから・・・」
「カズさん、1人で食べられないでしょう?」
チラッと金属フォークを見ながら言った。
「そうなんだけど、ティアが木製のフォークとか出してくれたらいいんだけど・・・」
「それは無理です」
「?なんで?」
「あれを見てください」
ティアが指を指した先には『持ち込み禁止』と書かれていた。
「なので、私が食べさせます。あーん」
「いや、あれって食材のことだよね?」
「なんだ俺が作った物に文句でもあるのか?」
いかつい顔した男が出てきた。
「あ、違うんです。ちょっと食器のことで揉めていただけで・・・」
「やっぱり、俺の作品の文句あるんじゃねーか」
この食器あなたが作っていたの?それは想定外(汗)
「いい食器だろ。旦那と出会ったのはここを開くために食器を探してて・・・」
「伴侶を見つけたということですか」
「お嬢さん、うまいこと言うねぇ。その通りさ。この人、無愛想でいい物作っているのに、売れなくてねぇ。私が手伝い始めて売れ始めたのよ」
なんか馴れ初め話が始まった⁈
「まぁ、よかったですね」
「あ、ああ」
旦那は照れくさそうだった。
「私がいなかったら、どうなっていたのかねぇ?」
「お、お前だって見栄えのいい盛り付けや料理器具の手入れ苦手だろうが」
「お互いの欠点を補える関係っていいですね」
「おう・・・」「ええ・・・」
ティアの発言に夫婦は顔を赤くしていた。
「たしかにそういう関係はいいよな。なぁエリス?」
エリスのいた席は空席になっていた。




