帰ってきた男(アゼント視点)
わしはアゼント・ドクバル、男爵だ。先日までは勇者歓迎式典でワズバルトまで赴いていた。
勇者や他の貴族との会談も終わり、やっとドルイストに帰ることができる。
出発前に注文していたエルフがわしを待っている。楽しみに馬車を走らせていると急に止まった。
「た、大変です」
馬車の扉を兵士が開けた。
「なんだ騒々しい」
「男爵実は―――」
「なんだとーーー」
襲撃者1人に館の兵が全滅だと・・・。
「かなりの手練れなのか?」
「わかりません。いつの間にかやられて」
ええい、役立たずめ。
「急げ、奴らを逃がすな」
ドルイストにたどり着いた。館の前にエルフがいた。
(間に合った)
わしは内心ホッとした。
「貴様ら私のいない間、好き勝手にやってくれたな」
相手は4人か。
「男爵、全員女のようです」
よくみるとエルフの女が3人、4人目は仮面を被っているが豊満な胸を実らせていた。
「男爵、これは好機です。4人のうち3人はシールリングを着けています。そしてあの仮面の女は魔力をかなり消費しているはずです」
たしかに弓矢を持っているとはいえ、ファタスが使えないエルフたちにいくら手練れとはいえ館の兵十数人を相手にしたんだ。これは・・・勝てる。
「聞けーーー。この4人を生きて捕まえろ。もし無傷で捕らえることができた者には仮面女を好きにしていいぞ」
「「「おおーーー」」」
よし、やる気が上がったな。あの女はわしの守備範囲ではないしな。
この鍵さえなければ、奴らはまともに戦えまい。
「その鍵がシールリングを開けられるのか?」
「その通りだ」
そうこれさえ取られなければ問題ないのだ。
「ならそれをいただく」
さっきからわしにため口で話ているのは誰だ。
「誰だ?」
振り向くと仮面を被った男が立っていた。その男に鍵を奪われた。




