餞別?
「マジックボックス」
ティアはオルゴールのような箱に家が吸い込まれた。
「すごいなそれは」
「はい、母の形見なんです。このマジックボックスと家も・・・」
家は母親と暮らしていたモノだと言っていたがこうやって運んできたのか。
「少し寄りたいところがあるのですが」
「ああ、かまわないよ」
お父さんのところに行くのかと思ったが、隣の家だった。
「おや、ユースティア様いかがされたのでしょうか?」
出てきたのは昨日の執事さんだった。
「これを返しに来たんです」
家の鍵を執事に渡した。
「いかれるのですね?」
「はい、今までお世話になりました」
ぺこりとティアは頭を下げた。
「寂しくなりますがあなたのその顔を見ると喜ばしくも感じます」
「?」
ティアはよくわからなかった。
「トージョー様、ユースティア様をよろしくお願いいたします」
「ああ、任せてくれ」
「ユースティア様、これを」
赤いリボンで結んである袋を渡してきた。
「タンジェントこれは・・・」
「はい、旦那様からです」
「お父様・・・」
ティアは感極まっていた。
「大丈夫?」
俺はハンカチを渡した。
「・・・はい行きましょうか」
「会わなくていいの?」
「はい、お父様の言いたいことはわかりましたから」
ティアがそう言うならそうしよう。
「では、言ってきますね」
「はい、お気を付けて」
俺は会釈をし、俺たちはヴォクシーを出た。




