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オレの一念、岩をも通す!?  作者: 喜世
第八章

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 知らない男、知らない女、いろんな人間の声がする。


 日本語だけれど、何を言っているのかわからない。

ただ右から左へ流れていく。


 心電図のような電子音がする。


 犬が吠える声、男の怒鳴る声、色々聞こえる。


「先輩!!!」


 相棒の声だ。


 目を開けると、与晴と目が合った。


「先輩!分かりますか!?」


「……与晴」


 目力がいつにも増して強い……


 抱き起こされ、力強く抱きしめられた。


「……よかった」


 声が震えている。


「ごめんね…… ありがとう……」


 彼を安心させる為、彼の背に手を回そうとした瞬間、身体を引き剥がされた。


「すみません…… 取り乱しました」


 今度は愛犬が二匹ベッドに飛び乗って来た。


「歳、総司……」


 ベッドに乗ってはいけないと教えたはずの二匹。

しかし今彼らを叱る気は無かった。


 久しぶりに会えた愛犬が、自分をちゃんと覚えててくれたのが嬉しかった。


「グッドボーイ……」


 息も出来ないくらいに思いっきり顔をなめられた。


 満足した二匹はベッドから降りた。


「帰りましょう」


 相棒に手を差し伸べられ、つばさはその手を取った。

 しかし、ベッドから降りた途端、腰砕けになった。


 慌てて与晴に抱き起こされた。


 目眩がしたわけでも無い、なぜか力が入らなかった。


「大丈夫ですか?」


「大丈夫……」


 しかし、立ち上がれない。


「……おんぶとお姫様抱っこ、どっちがいいですか?」


 真面目な顔で言われ、つばさは笑った。

 

「じゃあ、お姫様抱っこしてもらおうかな」


「わかりました」


 人生二度目のお姫様抱っこも、相棒だった。

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