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オレの一念、岩をも通す!?  作者: 喜世
第六章

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(01-5)

 一週間後、つばさは池辺とカフェで待ち合わせていた。

彼から早くも調査結果を貰う約束だった。


 挨拶の後当たり障りのない世間話を終えると、彼はつばさに例の調査報告を始めた。


 彼はテーブルの上に数枚の写真をひとつずつ置いた。


「こちらは、ITOUの会長さんを見送っているところです」


 だいぶ年配の男性が車に乗るのを見送る和義。男性は笑顔だが和義の表情は険しい。


「ITOU最寄りのホテルに呼び出さていました」


 その理由は孫娘の警護の件だろうか。


「そして、こちらはITOUの社長さんとです。こちらは銀座のホテルです」


 ラウンジらしい場所。

つばさの母くらいの歳と見える女性と和義が写っていた。

 女性の顔は目が吊り上がり恐ろしい顔。和義はうつむき加減。表情もだいぶ険しい。


「……警護に入っているご令嬢のことで、お説教を受けていたようです」


 やはり噂は正しかったのだ。


 これで彼の警護の仕事は御役御免。元の仕事に戻れるかもしれない。

 そうしたら彼の気分は晴れるし、つばさの不安も解消される。


「そうなんですね」


 気分が高揚したつばさ。それが声に出てしまった。

 少し怪訝な顔を池辺にされた。


 大丈夫だ。ライバル刑事の素行調査だと思ってくれればそれでいい。


「そして、こちらは……」


 最後に池辺が出した写真。

そのせいでつばさの高揚していた気分は一気にどん底へと落ちた。

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