あとがき
まず、どんなことよりも何よりも、本作を手に取り、ここまで全話を(さらには後書きまで)読了してくださり、真にありがとうございます。
曲がりなりにも物語を最後まで描き切ることができたのは、やはり読んでくださる方がいてくださる、ということがとても大きかったです。
各話への感想投稿を下さった方や深い考察を要所で都度、下さった方々からは、大いに力づけられ、時には考えさせられました。そちらへもまた、この場で感謝を申し上げます。
書いていると自作に対して漠然と、つい期待してしまうところもあるのですが、所詮は素人が趣味で書いているもの、ということを自分に言い聞かせていました。一方で、人目に触れているものでもある、ということもまた、書き始めてから分かったことで、そこからは改稿に次ぐ改稿でした。脱字が酷かったので。
それでも、未熟な文章表現やストーリーの粗さなどもあったかと思います。あとで読み返してみて、マズイ!となったことも幾度かありました。
まだまだありそうで恐ろしいです。(令和7年下半期現在も散見されております。恥ずかしい限りです)
本作については、ざまぁ的な婚約破棄の物語を変化球で書いてみよう、と思い立って始めたものでした。
すると、書いている内にこうなった方が面白いのでは?こうしてみよう、ああしてみよう、で話が明後日の方向に飛んでいきながら、一応本筋までは踏み外さずに済んだ、(多分)という作品です。思いついたことを自分なりには反映させられた、というところは、書いていても楽しかったことです。
そして、書き進めて主人公の様子から、世代を繋いでいく責任というのを、自身の子供が成長していくのもたまたま同時期に目にして、かえって私が意識させられることとなりました。
この作品について回ったテーマというのが、結果としては『責任』というものではあったのではないかと思っています。
シェルダンについては、当初は1000年続く自身の家系への、軽装歩兵の血筋に対する責任、軍人としての部下たちに対する責任がありました。そして、そこへ夫となり、親となって生じた責任が加わるというものでした。
なんだかんだありましたが、セニアも当代聖騎士としての責任、シオンの次期皇帝としての責任などもまた大事な要素であり、それをきちんと果たせたかな、と思っています。
責任を意識せず、果たさなかった、アスロック王国側のエヴァンズなどには、相応の報いがあった、あるいはあるべきなのではないかと思ったものです。という意味ではざまぁ出来たかな、と勝手に思っております。現代的なざまぁなるものからは、少し外れてしまったかもしれません。
作中でアイシラに代弁してもらったことですが、政務を司る人は、どんな形であれ、その責任故に間違いを犯したり、個人の感情に負けたりしてはならないと思います。それだけ人の命、重たい責任を負っているわけなので、そこはエヴァンズという人物について、決して許されない点かとも思うのです。
一方で、完璧な人間などいない、というのも自身の信念としてはあって。誰でも欠点は確実にあり如何にしてそれを表に出ないようにしているのか。ではないのか、と。その結果、妙なところで妙な失敗をする登場人物が続出したように思います。そこがこの物語の賛否が出てしまったところではないかとも思う次第です。
まだ、何人か、後でどうなったのかな?と自身で思う登場人物もおります。
私事ではありますが、令和6年5月に第二子が誕生しました。そこであわせて、続編を投稿開始しております。なんとなく、自分ではそこを、時期をあわせたかったのであります。
続編については『続・由緒正しき軽装歩兵』という表題でこの作品の続けて(380話としてではなく)ではなく、また別の作品として投稿しております。ご覧頂けましたなら幸いです。
なんだかんだ、この作品は描いていても楽しかったので私は好きなようです。
究極的には、私が自らの楽しみで、それをしたいかどうかなのでしょう。公開しているものではあっても、趣味で書いているものなのですから。
趣味でなにか出来上がったものを見せ合う場所がこのサイトなのだろうと思う次第です。その中で商業化されている方々には尊敬の念があるばかりです。
最後に繰り返しになりますが、本作品を少しでも読んでくださった方々には大いなる感謝、御礼を申し上げます。
また、何か作品を思いつけたなら書いていこうかと思います。まことにありがとうございました。




