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ドラゴンライダーと管制官  作者: 新堀はさむ
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第5話

起床を告げるラッパの演奏が基地内に響き渡り、トマースは急いで支給された作業服に着替えた。

寮前のグラウンドで点呼が行われるからだ。

昨日の夕方、各寮に教官が表れて寮内生活についてと、次の日に行われるオリエンテーションについて説明があった。

まず、就寝時間は22時、その30分前に寮前グラウンドで点呼。

6時に起床、6時5分に寮前グラウンドで点呼とのことだ。

その他にも寮に関する決めごとがあるが、おいおい説明していくとのこと。

オリエンテーションについては、午前前段で身体測定、午前後段に適性筆記試験、午後前段は適性実技試験、午後後段は職種説明会が行われるとのことだ。

寝巻きから作業服に着替えるのにさえ5分近くかかるのに、グラウンドに6時5分までに着かなくてはならない。

これは明日から寝巻きなんぞ着ないでシャツと短パンのみが良さそうだ。

寝ぼけまくりのアルフに活を入れなんとか着替えさせギリギリでグラウンドに到着できた。

既に教官は学生達の前で仁王立ちしている。

部屋ごとに整列するため、アルフと共に並ぶ。

4人部屋であるが、結局トマースとアルフだけであった。

他の部屋も2人か3人といった具合だ。

点呼の時間になったが、まだ到着してない学生が何人かいる。

約1分遅れで残りの学生が到着した。

「何をノンビリしておる貴様らー!」

教官はビリビリと身体の芯まで響く怒鳴り声を挙げた。

「もう、教育は始まってるんじゃ!時間にルーズな奴は軍人などつとまらんぞ!」

まさか、点呼の時間1分くらい遅れただけで叱られるとは思っておらず、更には気を抜けば失神させられる様な怒鳴り声を浴びせられ、遅れた者達は真っ青になっている。

「連帯責任じゃ、全員腕立て伏せ50回!」

まさか、とばっちりを受けるハメになってしまった。

朝から熱すぎる。


課業が開始され、予定通り身体測定が行われる。

身体測定が終わり、次に適性筆記試験。

義務教育卒業レベルの筆記試験かと思ったら、全く違う内容であった。

『この図形と同じ物を選びなさい』という問題や、物凄い量の簡単な足し算を5分で出来るとこまでやるといったことなど、なんだかやっていくうちに眠たくなってしまうような試験だ。


昼休みが終わり適性実技試験が始まった。

この試験も意味がよくわからない内容が多かった。

例えば文字の色を答えなさいという問題があった。

紙芝居のようにボードを次々とめくるスピードにあわせて答えなくてはならないのだが、赤色で『きいろ』という文字が書かれていたら『あか』と答えなくてはならない。

これが意外に難しい。

その他にも子供の玩具のようなものを使う試験があったりした。


午後後段になり職種説明会である。

軍における職種がどれだけあり、どういう内容かを説明する。

また、現役軍人が数名招かれ、彼らがどの職種でどのような任務を行っているのか、また色々な体験談も話してくれてとても有意義な時間であった。


17時、課業が終了し食堂へ向かう。

「とても疲れたよ〜。初日からくじけそう〜」

アルフがボヤくが、確かに疲れた。

主に朝の腕立て伏せが効いてると思うが。

「でも、職種説明会はとても良かったと思うぜ。なんだかやっぱ現役の人が語ると響くね」

「トマース、お疲れ〜」

「お疲れだニャ」

「こんばんわなのです」

食堂に向かう最中で女子3人組と合流した。

今日のオリエンテーションは、男子と女子は別れて行われたので彼女等とは今日初めて合う。

「トマース、職種説明会でドラゴンライダーの人が来たんだよ!やっぱ現役の人の話聞くと燃えるわね!」

「凄いな。ドラゴンライダーが来たのか。サクラの目指す職種だしタメになったろ」

「うん、早く卒業してドラゴンライダーとして活躍したい」

「サクラは〜、やっぱ戦闘飛竜乗り希望なの〜」

「やっぱ、て何よ。アタシはそこまで戦闘狂じゃないわよ!やっぱダンジョン探索ね。旧世界を知りたいわ」

「旧世界は魅力的なのです。私もダンジョン探索して旧世界の遺産を発掘したいのです」

「何ニャ、皆ちゃんと目的持ってるんニャ。ニャーはとりあえずサクラとトマースが軍に入るからニャーも入ろうと思っただけニャ」

「まあ、あれだけ職種があるんだ、ミキも興味持つ職種が出来るさ」

今日来てくれた現役軍人の中に管制官はいなかった。

経験談を聞きたかったが、軍学校のカリキュラムで基地見学もあるから、その時に是非とも管制現場も見学させてもらえればと・・・トマースは思う。

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