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とある女子高の昼休みの会話 8

期末テストも終わり、あと数日で授業が半日になります。学生のみなさんは夏休みの予定を話しているだけでもとっても楽しそうですね。


おしゃべりトリオは周りに流されずいつもながら独自の会話をしています。夏休みの予定ではなくて将来の予定を話しているみたいです。


「穂花は将来何になりたいの?」


笑話さんの質問に穂花さん子供のような無邪気な笑顔で答えました。


「トリさん」


満面の笑顔の穂花さんに対してハテナ顔の笑話さん。


「トリ?」


「うん、トリさん」


笑話さん穂花さんの言葉の意味が分かりませんでした。すると玲奈さんがいつも通り表情を変えずに無機質な口調で


「コウノトリ」


っと、言いました。すると笑話さん直ぐに穂花さんの言わんとしている意味が分かりました。


「ああ、子供のお母さんになりたいのね」


「うん」


満面の笑顔で快活な返事をする穂花さん。将来の夢に期待いっぱいなんですね。


この時、笑話さんと玲奈さんは同じ事を考えていました。


(子育て大丈夫なのだろうか?)っと。


「ちょっと心配だけど穂花が育てたら笑顔を絶やさないいい子が育ちそう」


おお、笑話さんいい事を言いますね。笑話さんの発言が嬉しかった穂花さんは恥ずかしそうに照れながら


「えへへ、ありがとう。笑話ちゃんだっていいお母さんになるよ。笑話ちゃんが育てればちょっとヤンチャな優しい子が育つよ」


穂花さんも良いこといいますね。


あれ?笑話さん?突然何故そんな怖いものを見るような顔をしてるのでしょうか?


「私?無理無理。赤ちゃんを産むなんてしばらく考えられないわ。先月お姉ちゃんの出産見てから子供を産むのは怖くて無理。断末魔かと思うような叫び声が廊下まで響いてたし。全身麻酔が効くまで暴れるわで大変だったから」


なるほど、笑話さんのお姉さんの出産を見て怖くなってしまったんですね。


「あー、コウノトリさん運んでくる卵のサイズまちがっちゃったんだね。笑話ちゃんの時にはコウノトリさんが間違えないように穂花が起きてるね」


穂花さんそういう問題じゃ・・・(汗


真剣な眼差しの穂花さんからこう言われた笑話さん。目が点になってます。だって、穂花さんがコウノトリを本気で信じてると気づいたから。もうかれこれ中学から3年同じクラスなので冗談なのか本気なのかは分かる仲ですね。


「あ、ありがとう穂花。だけどコウノトリだけじゃ赤ちゃん産まれないんだよ?」


笑話さんにこう言われた穂花さんはほっぺをぷーと膨らませて不満をアピールしました


「それくらい知ってるよ。穂花だってもう大人のレディなんだから。お父さんが必要だって知ってるよ」


穂花さんのこの発言を聞いて、よかったちゃんと知ってるんだっと安堵した笑話さんと玲奈さん。でも次の穂花さんの発言にドギモを抜かれました。


「お父さんとお母さんが一緒に寝ているところにコウノトリさんが卵を運んでくるんでしょ?こないだ本で読んだよ。男性と寝るなんてドキドキするけど赤ちゃんのためだものね」


これには笑話さんも玲奈さんも。え!?っと、思いました。男性と寝るという言葉の意味を勘違いしているのだろうとは直ぐに分かりましたが、まさかそこにさらにコウノトリという存在が本当に現れると思っているとは思ってませんでした。


「穂花、その本どこで見つけたの?」


笑話さんの質問に穂花さんが自信ありげな様子でいいました。


「教会のシスター・ラテアがくれたの。”もう大人ですから赤ちゃんの出来る方法も学ばないといけません”って。穂花大人の仲間入りしたよ」


大人の仲間入りした自分を誇らしいと思っている穂花さんは目を輝かせ自信に輝く表情をしています。それを見た二人は唖然としながらも思いました。


子供(穂花さんのことですね)の夢を壊してはイケない。っと。そして笑話さんは言いました。


「そっか、穂花も大人の階段上り始めたんだね。そのうち赤飯でお祝いしないとね」


「わーい、穂花赤飯大好き」


嬉しそうな穂花さんと暖かい目で見守ろうと決意する笑話さん。そして相変わらず無表情な玲奈でした。


それにしても今日の玲奈さんはさすがでしたね。穂花さんのトリさんという発言だけでコウノトリだと分かるなんて仲のいい証拠です。


そんなこんなで今日もまた平和に終わった昼休みでした。


ちゃんちゃん。

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